RUSH その6 | Do or Do not, There is no try.

Do or Do not, There is no try.

ギターや音楽(含むDTM)絡みが多いかな

 

前回は、

 

「Different Stages」(1998年)

 

まで紹介しました。

 

今回はそれ以降の「最後」まで、ということでかなり長くなると思います。

 

これまでも結構長い記事でしたが、ご容赦ください。

 

 

ニールを襲った不運により、バンドは活動停止を余儀なくされます。

 

ゲディが

「ニールの身に起きた事の前では、バンドに関する全ての事が

 とても些細で、どうでもいい事だった」

と言ってたように、

ニールだけでなく他のメンバーも、この時はバンドのこの先を考えるような事は

出来なかったようです。

 

 

 

それでも、

 

 

ニールは放浪の旅をし、

 

カウンセリングを受け、

 

そして新しい伴侶に出会い、

 

 

前作から6年後、

 

「Vapor Trails」(2002年)

 

復活を果たします。

 

ラッシュ史上、最もハードでヘヴィな音になってます。

 

そして、原点回帰というわけでもないのでしょうが、キーボードレスです。

だからなのか、リバーブはわりと控え気味。

 

とはいえ、アレックスのギターやゲディのヴォーカルは相当重ねられているし

マンドラ(マンドリンのちょっと大きいやつ)なんかも入っているので、

音の厚みは相当なものです。

 

最も、この音作りについては後からちょっとしたミソがつくんですが、それは後述。

 

 

「One Little Victory」(「Rush in Rio」より)

 

アルバム1曲目。

 

ニールの2バス(ペダル)連打から始まるのはまさに「復活の狼煙」。

 

2バス・ドラマーではあるけど、ニールはリズムパターンとして2バスを

使うことは殆どないので、この出だしはかなり衝撃でした。

 

 

「Secret Touch」「R30」より)

 

静かめに始まって一転、かなり熱くハードな展開。

 

 

個人的には、このヘヴィなサウンド(文字にすると非常にダサく見えるw)は

再始動にふさわしい感じがして良かったんですが、

 

どうも世間的には

「あのミックスはちょっと違うんじゃないか」

「あそこまで荒ぶった音作りじゃなくてもいいんじゃ…」

「厚みがありすぎて歌が埋もれてる」

と言った意見が少なからずあったようで。

 

確かに歌が埋もれてるというか若干奥まってる感じはしましたが、

気になるほどでもないし、荒ぶってるのはアレックス(の息子)が聴いてる

ラウド系の音楽に影響を受けたんだろうなぁ、くらいにしか感じませんでしたけどね。

 

とはいえ、その辺の違和感は本人たちも感じてたようで(というか、その後

2枚アルバムを作って並べて聴いた時に異質な感じがしたんでしょう)、

11年後に

 

「Vapor Trails Remixed(2013年)

 

リミックス盤をリリースします。

 

全然ミックスが違います。

歌はかなり前に来てるし、重ねられてるギターもバランスが相当

変えられてます。

ニールのドラムも、音的には「Test for Echo」の感じに近くなってます。

 

良い言い方をすれば「バランスの取れたミックス」なんですが、

悪い言い方をすれば「毒気がちょっと抜けたミックス」とも言えます。

 

元のミックスと比べると、スッキリし過ぎなんですよね。

 

まぁ先にオリジナルを聴いているのでこれを聴くと違和感バリバリなんですが、

しかし、確かに前後作を並べて聴くと、良くも悪くもオリジナルが異質な

感じがするのは判らなくもないです。

 

オリジナルは、それまでの色々なことが全部詰まって音や歌詞になって

一気呵成に出来上がった、て感じですね。

 

 

うーん…白紙の状態で今から聴くならこっちのリミックス盤の方が良い、のかなぁ。

 

 

翌年、

 

「Rush in Rio」(2003年)

 

コレまでのルーティンを変えてライブ盤(&DVD)をリリース。

初の南米ツアー最終日、リオでのライブ音源。

 

これまでのライブ盤は、基本ツアー中の選りすぐりを纏めたもので、

1ステージ丸ごとというのはありませんでした。

 

これ以降、ライブ・アルバム(とDVD,BD)は1ステージで収録されるようになりました。

 

この日は、トラブルで機材の搬入が大幅に遅れてリハーサルが出来なかったため

ステージはぶっつけ本番だったらしいです(サウンドチェックぐらいはしたでしょうが)。

 

遅れた機材には撮影用の機材もあって、ツアー中唯一の撮影有りステージなのに

撮影もリハが出来なくて、だから撮影の方もぶっつけ本番だったようです。

 

ですが、このライブ盤は良いです。

演奏も熱いけど、観客はもっと熱い。

 

 

更に翌年、

 

「Feedback (EP)」(2004年)

 

カバーアルバムです。

アルバムと言ってもタイトルが「Feedback (EP)」とあるように、全8曲27分の

ある意味企画盤とも言えるモノですね。

 

The Who、ヤードバーズ、バッファロー・スプリングフィールド等々…

自分たちの原点を只々楽しくカバーしたアルバムです。

 

「Summertime Blues」(「R30」より)

 

これはエディ・コクランのカバーというよりは、The whoのバージョンのカバー

といった感じでしょうね。

The WhoのバージョンにBlue Cheerのバージョンをミックスした感じでしょうか。

 

 

このアルバムを引っさげて30周年記念ツアー「R30」を回った後、

 

「R30」(2005年)

 

DVD。

ドイツでのステージだったかな。

 

これには、

 

2枚組の(同内容の)CDが同梱されてます。

 

あと、

 

バックステージパス・ステッカーもね。

 

 

それから2年後、

 

「Snakes&Arrows」(2007年)

 

ジャケット全体のデザインはヒュー・サイムですが、黄色い枠で囲まれた絵自体は

Harish Johariという方が書いた

「The Yoga of Snakes and Arrows : The Leela of Self-Knowledge」 という本

 
これに付属のボードゲーム(小さいものらしいですが)の図柄
 
がモチーフです(てか、まんまですよねw)。
(もちろんライナーに引用の但し書きはあります)
 

ニールがアルバムタイトルを決めたあとにネットで検索したらこの本があったそうです。

 

インド発祥のすごろくみたいなモノのようですが、軽く調べると

 

こんなのとか

 

こんなのみたいに、

「矢」ではなく「梯子」の「蛇と梯子(Snakes & Ladders)」というボードゲームが

出てきます。

 

とはいえ、

 

こんなのや

 

こんな画像も少ないながらにあったりするので、

 

多分時代とともにソフィスティケートされて「矢」が「梯子」になったんでしょうね。

まぁヒンドゥーの教えと考え方は、西洋的には多少過激だったり極端だったり

する部分もあるでしょうし。

 

 

全体的にハードな感じは前々作からさほど乖離してない雰囲気ですが、

多少鍵盤(メロトロンや足鍵)が入ってたり前作以上にギターじゃない弦楽器が

入ってたりで、「Vapor Trails」ほどに荒々しい印象ではないです。

 

「Counterparts」後の「Test for Echo」に近い感じですかね。

 

ある意味「ハイ」だった「Vapor Trails」からカバーアルバムを挟んで

落ち着いた、とでもいいましょうか。

 

 

「Far Cry」(「Snakes&Arrows Live」より)

 

冒頭の「ダダダ、~」後のコード(0.17辺り)は、アレックスがよく使うコード

(というかボイシング)で、

 

(リットー・ミュージック「ギターコード指板図」内の「作ろう!マイコードブック」より)

(Flashサポート終了したらこのサイトも無くなるのかなぁ、便利なんだけどなぁ)

 

コレです。

 

「Hemispheres Cord」とも言われてまして、その名の通りアルバム「Hemispheres」

冒頭で鳴ってるコードです。

 

ジョン・ペトルーシは「一番好きなコード」(何だその「一番好きな~」はw)にこのコードを

上げてまして、「アレックス・(ライフソン・)コードと名付けても良いくらいだ」と言ってます。

 

実際ラッシュファンの間では「アレックス・コード」とも呼ばれています。

 

ま、コードネーム的には特に珍しくもない感じですけどね(上記のサイトで画像のように

ボイシングをしたらちゃんとコード名出てますから)。

 

マイナーの

 

このボイシングなら割とよくあるし、自分も

 

この曲で使ってます。

 

 

「The Main Monkey Buisiness」(「R40」より)

 

インスト。

 

曲の話ではありませんが、この、レスポールの塗装のクラックはスゴいですねぇ。

かつては真っ当なゴールドだったと思われる褪色具合もたまりませんな。

 

 

翌年。

 

「Snakes&Arrows Live」(2008年)

 

ライブアルバム(&DVD、BD)。

これはオランダでしたかね。

 

前のライブ盤以降、ストーンズばりにライブ盤を頻繁にリリースするようになったのは

ブートレグ対策というのも勿論あるんでしょうけど、それ以上にバンドのこの先を考えた時、

「昔みたいに毎年のようにアルバムは出さないだろうし、そうなるとルーティン的に

4枚置きにライブ盤というのは非現実的だし、そもそもバンド自体もいつまで続くか判らない」

というのもあったんじゃないかなと。

 

だから、記録として残せるものは残そう、と。

 

推察ですけどね。

 

 

3年後。

 

「Time Machine 2011:Live in Cleveland」(2011年)

 

ライブアルバム(&DVD、BD)。

これはタイトルの通りアメリカ、クリーブランドですね。

 

途中でアルバム「ムービング・ピクチャーズ」再現コーナーがあるツアーです。

 

2000年辺りからアルバム丸ごと再現ライブってやたら多くなりましたよね。

…どうなんでしょう、個人的には、コンセプトアルバムでもない限りわざわざ

ライブで丸ごと演奏する必要は無い気もしますけど。

アルバム聴けばいい話ですし。

とはいえ、実際に生で聴くとまた違うのかもしれませんが。

 

このライブでは、先行発表されてた次作の曲も2曲演奏されてます。

 

 

で、翌年、

 

「Clockwork Angels」(2012年)

 

今の所(というか多分)「最後」のアルバムです。

(ジャケットの時間は「9:12」ではなく「21:12」ですねw)

 

スチームパンクな世界観のSFコンセプトアルバムで、実はアルバム

丸ごとってのはラッシュとしては意外にも初だったりします。

 

音的には前作のハードな感じはそのままに、そこにピアノやりストリングスを

足したって感じですね。

 

パッケージとして世界観(というか「読後感」みたいなものでしょうか)を

損なわないためか、大抵ライナーの最後に来るクレジットや謝辞が

ライナーを開いた最初の見開きに書かれていて、

その先は曲の序文と歌詞、そしてイラストだけになっています。

 

そしてこの世界観は、ケビン・J・アンダースンとの共著でノベライズされています。

 

 

個人的にはケビン・J・アンダースンは今や非正史となったスター・ウォーズの

スピンオフでの作家群の一人の印象ですが、

彼はニールの詞(確か「GUP」の中のどれか)に影響を受けてSF作家になったらしく、

デビュー作をニールに献本したことによって親交が始まったとか。

(言い方が良くないかもしれませんがニールの逝去以降、彼のツイート

 半分くらい「ニールの詞bot」みたいになってます)、

 

 

「BU2B」(「Time Machine 2011」より)

 

アルバムに先駆けて先のツアーで演奏された2曲のうちの1曲。

 

タイトルは歌詞の中にある「brought up to believe」の意味ですね。

 

 

「The Garden」「Clockwork Angels Tour」より)

 

最後のアルバムの、最後の曲。

 

 

翌年、

 

「Clockwork Angels Tour」(2013年)

 

ライブアルバム(&DVD、BD)。

 

 

その2年後、

 

「R40」(2015年)

 

40周年ツアーのライブアルバム(BD付属)。

 

このツアーは新しい曲から始まって古い曲に遡って行くという構成で、ステージも

先にに上げた「The Main Monkey Buisiness」を見て判るようにライブ中にどんどん

セットが過去のものに変わっていきます。

 

最後はジャケットのように学校の椅子にアンプを置いただけのシンプルな

セットになってます(後ろのスクリーンも体育館のような映像に)。

 

勿論演出なのでそこから音を出してるわけでは無いし、ニールのセットも

流石にそこまで戻すことはしてませんがw

(それでもニールのセットは途中から2バスのものに変わってます)

 

 

 

ラッシュの活動は、ココまでです。

 

 

5月にカナダで追悼イベントのようなものが行われるようですが、

そこで残された二人がどういう形で参加するのかは判りません。

 

 

――――

 

 

全6回に渡る冗長なブログにお付き合いいいただき、ありがとうございました。

 

 

この記事が、誰かのラッシュを知るきっかけになったなら幸いです。

そして、誰かの中の誰かがラッシュに興味を持ってくれたなら、

ラッシュの音楽を好きになってくれたならファンとしてとても嬉しいです。

 

ハードロック、プログレ等が好きな人なら(勿論そうじゃない人でも)、

琴線に触れるような曲やアルバムがどれかに、ドコかの時代に

きっとあると思います。

 

あってほしいなと、思います。

 


因みにアマゾンだと、

 

1st~Hold Your Fireまでの2枚組ベストがこの値段ですし

(2112は残念ながらショートエディットバージョン)

 

Presto~ラス前のSnakes &Arrowsまでの7枚がセットのボックスがこの値段です。

(Vapor TrailsはRemix盤)

 

今どきの人は配信だのサブスクだので物質的な所有には興味ないかも知れませんが、

4000円弱で最後のアルバム(とライブ盤)以外は概ね網羅出来てしまうのだから、

すごい時代ですね。

 

 

 

では、最後にニールのドラムソロを。

 

これの前半は、神保彰の「ワンマンオーケストラ」の亜種というか、

多分元ネタというかインスパイアはそれなんじゃないかと思います。

 

プログラムで叩く度に音が順送りで変わっていくのは、ミスできない緊張感が

ありますね。

 

 

「Rush in Rio」以降のソロは概ねこんな感じです。

勿論ツアー毎に細かく変化はしてますが、最後のバディ・リッチ(・オーケストラ)の

音源に合わせるのは変わらないです(曲は違うときもありますが)。