リマスター | Do or Do not, There is no try.

Do or Do not, There is no try.

ギターや音楽(含むDTM)絡みが多いかな

長い上にちょっとマニアックなので興味ない人はスルーしてください。

 

 

最近、入手したCDをPCに取り込む際、リマスタリングを施すようになった。

 

今年に入ってから入手したCDが比較的古めの音源(70年代の元々アナログだったモノ~

90年代前半)ばっかだったのね。

 

その手のは、大抵音が小さいのよ。

 

「音が小さい」と言うのは単純に収録されている音量レベルが低いという事でもあるが、

それ以外に「音圧が低い」というのも音が小さい(と感じる)事の一因でもある。

 

CD単体で聴いてる分にはまだいいけど、iPodだのiTunesだので聴くとその音量の違いが如実で

鬱陶しい(基本どっちもランダム再生なので余計に)。

 

一応、CDをPCに取り込む際(正確には取り込んだ後)mp3Gainというソフトで音量をアルバム単位で

大まかに揃えてはいるけど(最近はもっぱら98db前後)、それでもやっぱ小さいヤツは小さい。

 

それがまぁ「音圧」と言うやつなんだけれども。

 

端的に言うとその「音圧」を上げる作業を「リマスター」と言う(厳密には他にも色々補正するけどね)。


あんまり気にしてもしょうがないんで今まで見て見ぬふりをしてたんだけど、、一念発起して

リマスターしてみることにした。

 

達郎がラジオでかける音源にやってるヤツの縮小版というか、簡易版というかw

達郎は多分ProTools辺りにぶっ込んでやってるんだろうけど。

 

俺はSoundEngineというフリーの波形編集ソフトを使います。

 

このソフトは良いですよ、エフェクターも色々入ってるし。

 

まず楽曲をPCに取り込むんだけど、いつもは普通にmp3最近は専らAACで取り込むのを

wavで取り込みます。

wavじゃないと波形編集出来ないのでね。

 


これは、数年前に亡くなってしまったとあるアイルランド人ギタリストのとある曲です。

あれ、北アイルランドだから国籍的にはイギリスなのか?まあいいや。

(この波形だけ見て誰の何の曲か判ったら相当な波形フェチだよねw)

 

で、細かい説明は専門的になるので省くけど、相当に再生音量が小さい。

 

平均音量-18.39dbってのはイマドキではめちゃくちゃ低い。

 

因みに、

これは比較的最近の、とあるオルタナ系のロックバンドの曲。

 

このようにベターっとなってる波形を「海苔波形」と言います(この曲はピーク打ってないから

厳密な意味での「海苔波形」じゃないけどね)。

 

-8.77dbってのはイマドキとしても相当ウルサイ。

 

ま、海苔といっても、

拡大してみればちゃんと波形は見て取れます。

 

もひとつ。

とあるポップディーバの、数年前の曲。

大半がピーク打っててほぼ海苔。

 

-10.73dbてのはまぁ、最近のダンス系とかヒップホップとかエレクトリックだと普通な感じかなぁ。

 

まぁ、そんな中に前述の曲が挟まるととんでもなく音がショボいわけ。

 

8~10db違ったら、そらもう大人と子供くらい違うよw

DVDとブルーレイくらい違うよ。

夏タイヤと冬タイヤくらい違うよ。

マスター・ヨーダとヴェイダー卿くらい違うよ。

 

いや、後半の方はちょっと意味不明だが…

 

とにかく、この音量を(イマドキの)適正にします。

 

色々エフェクターが入ってるのだが、その中の「オートマキシマイズ」というのを使います。

 

オートマキシマイズは「聴覚的な音量レベルを検知し、設定した目標音量レベルに対して

音量調整をするエフェクター」(SoundEngineのエフェクター説明ページより)。

「ノーマライズ(正規化)」というのもあるけど、これは曲の音量をピークレベル(0db)に合わせて

上げるだけ。

その辺の説明はこのページにあるので気になる人は読んで下さい。

 

まぁ何だろうね、リミッターとコンプレッサーとイコライザーを組み合わせて設定を簡略化したような

エフェクターかな、オートマキシマイズってのは。

 

プリセットで目標レベルも選べるけど、マニュアルで設定もできます。

 

この辺は勘というか聴いてみて良ければ良いというか。

あとは、修正後の波形の状態w

個人的に海苔波形イヤなのよw

別にデジタルだからピーク打ってても音割れとか無いけど、なんかイヤw

全部の楽器の音がデカいってのもイヤ。

 

なので、そのへんのバランス考えて大体-12.5~-14db辺りに設定します。

勿論、バラードとかの静かな曲はその限りではないよ。

 

何回か試して(非破壊編集なのでね、幾らでもやり直せる)、この曲は-13.9dbに設定しました。

 

すると、こうなる。

 

ここまで上げても、イマドキの曲に比べたらまだ音は小さい。

でもまぁ、元の状態ほど極端に違わないです。

どのみちAACに変換するので、その後mp3Gainで音量上げれば遜色無し。

 

あと、

 

やはり前から気になっていた事があって。

 

古めの曲、特にロック系の曲に多いのが「後半になるに連れて音量が上がっていく」ってヤツ。

いや、展開とかアレンジとかあるのは判ってるけどね、それを差っ引いても違和感がある。

単純に、聴こえ方で言うとドラムの音が最初小さいものw

何だろう、トラックダウンの時にエンジニアがマスターボリュームのフェーダーを曲中にじわ~っと

上げてるのが見えるようなw

 

で、今回サンプルとした曲。

 

構成を色分けしてみた。

 

サビは後半の展開が違うので色分け(赤い部分はBもしくはアトサビと言われることもある)。

GSはギターソロだが、前半はイントロと同じ。

アウトロ(&フェード・アウト)の展開はサビ後半と同じだけど、上に乗ってるギターフレーズが

イントロと同じ。

 

ちょっと判りづらいかもしれないけど、全体的に後半に向けて微妙に音量が上がってる。

勿論鳴ってる音とかも増えたりしてるし後半に向けて厚みが増したりもしてるけどさ。

 

でも、聴いたら後半になるにつれ「あれ、こんなに音デカかったっけ?」って思うのよw

 

なので、それを補正する。

(先にやった音圧補正は説明用のデモみたいなもんで、あの作業は本来この作業の後です)

 

SoundEngineでは曲中にリニアに音量調整が出来ないので、これにはAudacityという

波形編集ソフトを使います。

 

こんな感じ。

SoundEngineは基本的に1トラック(2ch)を編集するソフトだけど、AudacityはPCのメモリが許す限り

何トラックでも扱えるマルチトラック。

 

俺の場合は、打ち込みで作ったオケとUTAUで作ったボーカルトラックをミックスする時に使ってます。

 

これも色々エフェクターが入ってて、しかもプラグインで増やすことも可能。

俺はボーカルにリバーブかけるくらいしか使わないから増やしてないけど。

 

このソフトだと、

 

このように音量を自在に調整出来る。

 

その機能を使って、

 

この辺も勘というか自分の聴覚(そして波形w)の問題なのだが、こんな感じかな。

 

で、補正した奴をwavで書き出してSoundEngineで見ると

 

若干音量が上がってる。

とは言え、まだ小さいので、これをオートマキシマイズで補正します。

 

-13.5db。

 

入手したCDの中に古めのハードロックが十数枚あってね、それがまた結構な割合でこの状態なのよw

 

もう面倒くさいったらありゃしないw

そうじゃなけりゃただ音圧上げるだけでいいのに。

 

 

前に取り込んだCDもリマスタリングしたいけど、そうなるとまた新たに取り込みし直し…

全部ではないにせよ、多分大半は要リマスタリングと考えると2000枚くらい?

 

いやぁ、それはちょっとなぁ…