ずーっと神様は暇を持て余していた――。
そして、ジーッと人々を眺めていた。
ある日、天使レミエルを使わし人々にお告げを伝えることにした。
こうしてレミエルは神のぼやき……いやお告げを人々に伝えるために、電話を持って地上界へと降りたのであった。
今日は誰が神のぼやきに付き合わされるのか――。
少年ギル編 第二話
夜も深まる暗闇の中、空を見上げると、星々たちが美しく輝いていた。
そんな星空の下、ウルクの街は建物による闇が多かった。
ギルは夜な夜な王宮を抜け出しては一人で遊んでいた。
暗い闇の中でウロウロすると、彼はなぜかワクワクした。
子供にはありがちな『何かがありそう』、という好奇心だったのかもしれない。
夜な夜な抜け出し何か悪いことをしているそんな緊張感、それが更に彼の楽しさを膨らませた。
ひんやりとした風も気持ちいい。
砂漠の夜は寒い。
だが今はまだ闇も深くなく、涼しいくらいだった。
ギルはハシゴをかけ、とある建物の屋根に登り寝そべりながら空を見上げた。
きらめく星空を見て、彼はつぶやいた。
「お化けがいなくなれば友達増えるかな~……」
TeLLLLLLLLLLL――
電話の音がする。
隣には天使レミエルが立っていた。
純白の肌と金色の神をした、ショートヘアのかわいい少年だった。
でも口は悪い。
「おい、お前、何寝てんだよ! 神からのお告げだ」
あまりに突然なことに驚いたギルは腰を抜かし、ひっくり返った。
その手には圧倒的な高級感の漂う携帯電話リンゴのマークのiPhoneが握られていた。
それは神に選ばれた最高の英知。
人類がたどり着くのはまだ何千年も先の夢のテクノロジー。
わけもわからず電話を手にしたギルは、言われるがまま電話を耳に当てた。
「もしもし。
もし、もーーし。
神やで~。
悪事って何をもって悪いってことなんやろうな……。
ヒーローが悪人を倒すと、よく、ようやった的な空気になるけど、倒された悪人の家族にしたらタマラン。
お前の親父、悪人やからと言われた上に、殺されてしまうわけやからね。
ヒーローもその悪人の戸籍を調べた上で家族の理解と了承まで得た上で戦っているのなら、まだいいんやけど、それはそれでかっこいい感じが薄れるから、イメージも良くない。
別視点で、もしその悪人の子供が大人になってヒーローを倒したら、時を超えた的なリベンジ感もあって何かええ空気感もあるし、もうそうなってくると時間軸の縛りも大事になる。
何月何日のこの人は悪人でした!的な。
3月8日、ただ今15時50分、この人は万引きをしました!くらい言わないといけないけど、それ言ってる方が逆におかしい感じもする。
ただ裁判は、それをしてるな~。
でも例えば万引きがあったとして、あいつ万引きや!! と言うわけやけど、10年経ってから、実はあいつ昔、万引きやってん……となると、何か昔、ワルやった的な武勇伝にも聞こえる。
昔からいうけど、悪ははびこり正義は守らなくてはいけないというのは名言かもね。ただここまで言っといて、じゃあ本当の正義とはなんぞやと聞かれれば、それは――。
神であるわしの考えやけどね。
それ聞いて、自分どう思う」
ギルは答えた。
「ちょっと寒いからもう帰る」
神様のぼやきはまだまだ続く。

