僕にはまだまだほど遠いお買い物。 | 私的批評

私的批評

日々読んだ本、観た映画などについて極私的に批評しています。
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今日(昨日?)発売の週刊ダイヤモンドはマンション特集。

2008年9月のリーマンショック以降、中堅マンション業者は相次いで破綻し、1994年~95年の約550社からなんと7割減の約160社にまで激減したといいます。

しかし、このところ「大変混雑しております」、「約10分お待ちください」などという看板がモデルルームの玄関や説明会場に多く見られ、説明ブースはいつも満席だそうです。
どん底から好転の兆しが見え始めたマンション業界。
実は、このような現象が起きているのは、首都圏(23区・横浜市内)のみで、近隣の千葉や、大阪などの近畿圏ではまだまだ回復に時間を要し、二極化が加速しているといいます。

そんな首都圏ではあらゆるタイプのマンションが続々とリリースされています。
とくに首都圏全域で増えているのは「スーパーマーケット併設」や「クリニックモール付き」といった利便性追求型のマンションなのですが、その他「ユニクロ型」ともいえる基本構造はしっかり造りつつ、設備・仕様を極限までそぎ落とした低価格物件などもあります。

しかし、今回の物件ランキングで最高得点を獲得したのは「スケルトンオーダーメイド方式」の物件。
これは建物の骨格ができた時点で工事を中断し、購入者を募ります。
購入者は日当たりや眺望、騒音の有無などを実地で確認し、決定します。
その後、間取りや設備・仕様をオーダーメイドで造り上げるというものです。
欧米ではスタンダードな方式だそうですが、日本では初めてのケースとなります。

「ユニクロ型」に対抗して例えると、2002年頃からカスタムシューズの販売を始めた「NIKE型」とでもいえるでしょうか。
一定のベースに個々のオリジナリティを反映させ、満足度を最大限に高めるといったプロシューマー向けのサービスです。
消費者を"生産する"消費者へと変え、オンリーワン商品の提供により、購入者に特別な価値を与えることとなります。

そして、この2種は購入者の心理が全く逆になる気がします。
前者の「ユニクロ型」は減算の考え方で造られたもので、設備など必要最低限のもの以外そぎ落とした結果の価格なので、それに見合う最高価格になります。
ですから、交渉時においても値切り交渉となり、(ほとんどが底値に近いのでしょうが)さらなる値下げが想定されます。
その反面、後者の「NIKE(オーダーメイド)型」は内容や間仕切りなど盛り込まなければならない要素を残したままの販売になるので、カスタムを加えたり、オプションを入れることで基本的には加算の交渉になります。

もちろん、ターゲットは全く異なる層になるのですが、販売システムの違いで購入者の心理が変わっていくのだろうなと。
割安感の得られる「ユニクロ型」と満足感の得られる「NIKE型」、"購入"という同じゴールでありながら、マンション開発のコンセプトとターゲットの違いで、購入に対する積極性が真逆になるのだなと改めてマーケティングの奥深さを感じました。

ちなみに、僕の住んでいるマンションは、言わば利便性追求型。
一階には立ち飲み屋さん、とんこつラーメン屋さんが濃厚な香りを漂わせています。。。涙


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