あの、夏の日。 | 私的批評

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日々読んだ本、観た映画などについて極私的に批評しています。
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先日、東京タワーのふもと、芝公園付近でまだ初々しいスーツ姿の男女の若者たちが10人ほどかたまって歩いているのを見かけました。

そうです、就職活動です。

このように大学も夏休みに入っているこの8月に、未だ内定を得られずリクルートスーツで汗まみれになっている就活学生が今年も多く見られます。

僕にとってはもうかれこれ6~7年前の話になりますが、同じようにリクルートスーツを身にまとって東京ー大阪間を行き来していたのを思い出します。
実は当時も就職氷河期と呼ばれる時代にありました。
僕の場合は色んな状況が重なり、就職活動を途中で断念したのですが。

そんな今のこのご時世に、先日こんな記事を見つけました。

『実質的な失業率は9%を超えている』
(週刊ダイヤモンド:2009年7月18日・第97巻29号)

2009年6月30日に発表された完全失業率は5.2%。
失業率は遅行指数なので、今後さらに上昇するのは不可避である…。

冒頭から暗いニュースを思わせます。
ではタイトルの実質の9%って?

現在雇用を増やすために国が企業に対し「雇用調整助成金」を出しています。
しかしこの助成金、新たな雇用のためには使われず、ほとんどが企業内の、言わば過剰に雇用された人々に使われています。
これは「企業内失業」という見解で、彼らが実際に解雇された時には実質9%にまで上る!ということなのです。
現在、製造業は設備と人員合わせて2割程度の過剰な生産能力を抱えてます。
生産活動自体は回復しつつあるのは事実ですが、今後の伸びは鈍化するものと考えられ、その伸びはピーク時の8割程度にとどまるのです。
そのため、製造業は雇用を2割程度削減しなければならないとのことです。

企業は賃金の安いアジア諸国に生産を移し、さらに雇用の機会は失われていきます。
国内でも外国人労働者は増え続けるでしょうし。
雇用構造は製造業からサービス業へとの変革が必要とありますが、単純労働では所得を得られなくなっていくわけですね。
ただ、現況にあまり失望せずに、この変革は逆に日本人にとっては有利に働くのではないでしょうか。
日本人のサービスレベルの高さが発揮される時代が到来することを願います。

かくいう私も失業保険をもらい、認定を受けていたわけなので、この5.2%に入ってるワケですが。
それを考えると悲観的な失業者も少なくないかもしれませんね。


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