今年は四月から咲き始めた薔薇。

そう広くない庭がさらに狭く感じるほど、薔薇やクレマチス、ラベンダー、サクラソウなどが一斉に空間を奪い合うように咲きそろい、薔薇の枝の刺をよけながら消毒したり、足元の草を取ったり、そのあとに肥料を埋め込んだり、散水したり、同じような写真を何枚も撮ったり。

雨が降っても庭に出たくなる、1年にたった一度の季節の到来です。

 

例年より雨が続いたり、一日中かなり強い風が吹いたりで、庭に出るたびに大きな蕾を付けた薔薇の枝が地面に落ちているのを見つけたり、頭に重い花をたくさんつけた薔薇の木が風で傾いて倒れそうになると、棒で支えたり、忙しい毎日です。

庭をうろうろする様子は、まるで「雨にも負けず…」に出てくる「木偶の棒」のようです。

 

というわけで何日もここに記事を書かない日が続きましたが、今日は「光る作品」のご紹介を再開させていただきます。

 

 

 

 

 

 

シャドーの作品の額装です。

まわりのマット紙に、プリーツ状に細く畳んだ化粧紙をはってあります。

とても手数がかかりますが

すっきりとしていてとても上品な作品になりました。

 

 

 

 

 

 

「ムスカリ」の額装と同じ方の作品です。

こちらはピカソ作のプレートの写真のカードが額装されています。

さすがにピカソ、はがき大のカードの中でも、その作品はとても存在感があります。

ほとんど色彩の無いカードなので、額装に用いる化粧紙の色は慎重に決めていきました。

 

階段のように見える造作が四角に入った斜面の、まわりに入れたフィレがとても効いています。

フレームはマット紙と壁紙を使って手作りされています。

 

 

 

 

 

 

 

「深海」をイメージさせる絵は、ご自身でパソコンを使って制作されたものです。

その絵の上に小さな金色の竪琴を置いています。

深い海の中で真珠の精たちが踊るバレエ作品がありますが、

そんなファンタスティックな海の物語が頭に浮かんできます。

 

額装は、正方形、正八角形、円の窓の組合わせで、

細い金色のフィレのほかはすべて鮮やかなブルーで仕上げ、

海の中の物語の世界を作り上げました。

本当に素敵です。

 

 

 

 

 

 

 

どことなく似ている二つの作品は、制作者も額装テクニックも異なります。

ですが、どちらも、目の錯覚を利用した「だまし絵」の効果を使っています。

ドキュモン(絵)の選択、額装に用いる色、空間のバランスがうまくいくと、

このように魅力的でだれの目をも引く作品になるのですね。

 

 

 

 

 

 

とても魅力的なピカソの絵です。

 

女性の顔や上半身が、左右で少し角度が異なって見えるので、

絵のまわりの斜面の幅を、左右で変えて制作されました。

素晴らしい発想だと思います。

フレームも手作りされています。

 

 

 

 

 

 

 

ずっと以前からたくさん制作されてきた額装デザイン:「エスカルゴ」

 

もう20年近くも前に、初めてこのデザインの作品写真を見たときには、

どうやって作るのかと想像もつきませんでした。

3㎜マット紙を何枚も使っているようにも見えたからです。

このデザインにも「だまし絵の効果」があるのかもしれません。

 

手作りのフレームは、上下が黒、左右を青と赤で塗って仕上げられました。

力作です。

 

 

今回も皆さんの傑作ぞろいで、「説明」にも力が入りました。

楽しくご覧いただけましたら幸いです。