整形外科最終日!
いつものよう生協に車を停め、整形外科までは100メートル足らず。
小腹が減ったから生協でチキンカツを買い、かじりながら赤信号の横断歩道を渡っていたら、同じく赤信号で渡る車椅子の爺さんが。
元気だなーと思いつつ信号を渡り終えたら、爺さんがいきなり叫びだした。
『誰か!誰かー!』
先に渡ってた若い姉ちゃんは行っちゃったし、周りには私だけ。
何かあったと思い、慌てて駆け寄って『どうしました?』と聞いたら、ちょっと車椅子を押して欲しいと。
横断歩道の段差は乗り越えたし、緩やかなスロープが大変なのかと押したら
『保育園の先まで』
は!?
保育園って、急勾配の坂道100メートルとか上がらなきゃいけないんですけど!
しかも、その先で更に平坦な横道に出るまで100メートル!
周り見渡したけど車はバンバン通ってるのに歩行者は居ない。
仕方ないからゼェゼェ言いながら坂道200メートル押してきた。
爺さんの理由がまたしょうもなくて、一人暮らしだけど卵を買ってきた。
前回卵を買って自分で坂道を上がったら卵が全部割れてた。だから押して貰えばいいと思った。
もう馬鹿かと。なら卵を膝に乗せるなり、割れない方法もある。
なんなら、うちの店で配達サービスもやってる。
電話一本で卵を届ける方法なんていくらでもあるのに、通りすがりの人に迷惑までかけて何をやってるのかと。
平坦な横道で爺さんを送り届けたら、ありがとうやすみませんは言うものの、振り返りもしない。
せめて顔を見てお礼を述べるのが最低限じゃない?
爺さんは私の事情など知らないのは当然だけど、通りすがりの人が全て体力に自信がある健常者ばかりではない。
私のように、病気で体力を失い普通に生活するだけでやっとの人も居る。
爺さんから見えない曲がり角にヘタレ込み、10分近く動けなかったんだから!
かと言って、『誰か!』の声を無視出来る程私も良心が欠落している訳でもなく。
あー、なんだろ、このモヤモヤ感。
『ありがとう』笑顔で振り返ってくれたらまた違っただろうに。
ただ、疲れただけだった。