○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、白朴の『天淨沙·春』詞である。
【原文】
天淨沙·春
白朴
春山暖日和風
闌干樓閣簾櫳
楊柳秋千院中
啼鶯舞燕
小橋流水飛紅
【書き下し文】
天淨沙·春
白朴
春山には、暖かき日と和やかな風、
闌干樓閣の簾や櫳、
楊柳の秋は、千院の中。
啼く鶯と舞ふ燕、
小橋の流水に紅の飛ぶ。
【我が儘勝手な私訳】
春の山から暖かい日差しと温和な風が訪れ、
楼閣の欄干や簾や窓の嵌め込みを吹き抜けて行く。
柳の揺れる季節は町中に満ち満ちて、
鶯が鳴き、燕が飛び交い、
小川の橋上から眺めると、川面に花びらが飛んでいるのを見る。