○立春詩の案内を続けている。今回案内するのは、林蘭痴の『春餅』詩である。
【原文】
春餅
林蘭痴
調羹湯餅佐春色
春到人間一卷之
二十四番風信過
縱教能畫也非時
【書き下し文】
春餅
林蘭痴
調羹湯餅は、春色を佐け、
春の人間に到れば、一たび、之を卷く。
二十四番、風信過ぐれば、
縱ひ能く畫かしむるも、時に非ざるなり。
【我が儘勝手な私訳】
煮物料理や団子汁は、春の定番料理として欠かせないもので、
春の季節が人間界へやって来ると、人々は決まって春巻きを作る。
二十四節気の中でも、春分の季節に吹く春の嵐のころが最高で、
仮に上手に作れなかったところで、それは決して季節のせいではない。