趙蕃:人日立春 | 古代文化研究所

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○『人日立春』詩は、幾つか存在する。すでに、以前、盧仝の『人日立春』詩を案内済みである。
  ・テーマ「寒食・清明・立春」:ブログ『盧仝:人日立春』
  https://ameblo.jp/sisiza1949/entry-12519978741.html?frm=theme

○しかし、中国の検索エンジン百度の百度百科が案内する『人日立春』項目は、次のようにあって、趙蕃の『人日立春』詩を紹介している。
      人日立春
   《人日立春》是宋朝著名词作家赵蕃的代表作品之一。赵蕃,字昌父,号章泉,生于1143年,是南宋
  中期著名诗人,他和当时居住在上饶的韩淲(号涧泉),是很要好的朋友,二人齐名,号称“上饶二
  泉”,同为江西诗派的殿军人物。
  https://baike.baidu.com/item/人日立春/12684571?fr=aladdin

○ここでは、趙蕃の『人日立春』詩を案内したい。
  【原文】
      人日立春
        趙蕃
    陰已至人日
    雨仍当立春
    梅花一開謝
    草色半陳新
    節物変風物
    病身成老身
    微吟終楚調
    高興属詞人

  【書き下し文】
      人日立春
        趙蕃
    陰は已に、人日に至るに、
    雨は仍つて、立春に当る。
    梅花は、一たび謝を拓き、
    草色は、半ば新を陳ぶ。
    節物の、風物と変ずれば、
    病身は、老身と成る。
    微かに、楚調の終りを吟ずれば、
    高らかに、詞人に属するを興ず。

  【我が儘勝手な私訳】
    暦の上では、もうすでに、正月七日になってしまって、
    雨が降り続く今朝が、ちょうど立春の日だと言う。
    梅の花は、もう既に花開いて、
    野の草は、半分ほど、若葉を見せる季節となっている。
    立春の節句を飾る飾りものが飾られているのをみると、
    病弱な身体が、今では、老身となっているのを実感する。
    小声で、楽府の楚調の終節を詠じていると、
    精神が高揚して、つい、詩人にでもなったかのような興奮を覚える。

○趙蕃も、日本ではほとんど馴染みの無い詩人である。中国の検索エンジン百度の百度百科が案内する趙蕃は、次の通り。
      赵蕃 (宋代学者)
   赵蕃(1143年~1229年),字昌父,号章泉,原籍郑州。赵蕃是南宋中期著名诗人,他和当时居住在
  上饶的韩淲 (号涧泉),是很要好的朋友,二人齐名,号称“上饶二泉”,同为江西诗派的殿军人物。
  https://baike.baidu.com/item/赵蕃/17304?fr=aladdin