フーコーの振り子 | 古代文化研究所

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古代文化には、多くの疑問や問題が存在する。そういうものを日向国から検証していきたい。

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○長崎県長崎市筑後町にある、分紫山福済寺に参拝した。その際、観音堂脇に、

  地球自転観測装置
  フーコーの振り子
  地下室にあります

  吊り糸の長さが日本一長く世界第三位
  フーコーの振り子
  地下室にあります

の案内標識を見付けた。そんな装置が観音堂に設置されているとは、容易に信じがたい。

○ちょうど観音堂で生け花を活けていらっしゃた女性が、「自由に参観できますよ。下に下りたら、中に電源がありますから、ご自分で押して下さい」とおっしゃるので、見学することとした。

○地下室に入ると、そこはまるで理系の実験室の雰囲気で、ここが観音堂の地下とは到底思えない。それに、ここの吊り糸は、観音様の胴体内を貫いて設置されていると言うのだから、二度驚いた。あまりに進歩的な仏様である。

○第一、フーコーの振り子なるものをよく知らない。そういう人の為に、ちゃんと説明板まであった。

      フーコーの振子
   フーコーの振子は、「地球の自転」を証明するためフランスの物理学者フーコーが、1851年
  (約100年前)にパリーのパルテノン寺院で実験した振子のことです。
   振り子を長い時間振らせておくと、振り子の振動面が北半球では時計の針の回る方向に(南半球で
  は反対方向)ゆっくりと回ります。これは、振り子の振動面は変わらないのに、地球が回っているた
  め、地面を基準にすると振り子の振動面が回るようにみえるのです。その振動面の回転は緯度φ(フ
  ァイ)の場所で24/sinφ時間の周期で一巡します。(厳密には、24=23、943時間:1恒
  星日)またこれを1時間ごとの回転角で表すと、15°sinφとなり、当地長崎(φ=32°45″)
  では、1時間におよそ8°の割合で振動面が回転することになります。
   目盛盤上に立ちならべた棒は、振り子の回転角をみやすくしたもので、およそ15分ごとに右回り
  に倒れていきます。(地球は、左回りに回転)

○別の説明板には、次のようにあった。

      フーコーの振子(FOUCAULT'S PENDULUM)
   フーコー振子は「地球の自転」を証明するために、フランスの物理学者フーコーが1851年に
  パリのパルテノン寺院で実験した振子として有名です。
   霊廟のフーコー振子は“地球が動いている”ことの歴史的な実証の再現と、あわせて、この永遠に動
  き続ける地球とともに私たち人類も“永遠に平和であること”への願いをこめて設置されたものです。
   目盛盤上に立ちならべた棒は、振子の振動面の方向を見やすくするために設けたもので、2°ごとに
  ならべてあります。およそ15分の間隔で右回りの方向に倒れて行きますので、時計を見て、棒の倒
  れる時間間隔を調べ“地球の自転”を再認識して下さい。
   【振子の内容】
     ・振子の長さ:25、1叩     μ楡紅廚猟招臓В院■境
     ・おもりの重さ:32圈      振子の周期:10秒
     ・支点:ダブルナイフエッジ式   ・振子の変向角:1時間に81°
  振子は外の御観音様の頭部に取り付けられています。
  振子が出来るだけ地球の自転の影響を受けない様に支点に
  機械(ダブルナイフエッジ)をつけています。
  私達は今、自転している地球に一緒に立っていますから、
  振子の方が右に移動する様に見えますが、実際は地面も
  建物も静止している物は皆、地球と一緒に動いています。
  (北半球は時計の針の反対に自転しています。)
  振子は遠心力・重力等、いろいろ地球の影響を受けるので
  緯度によってピンの倒れる時間が異なります。

○こういうふうに説明をされても、文系の者にとっては、なかなか容易に理解し難い。ウィキペディアフリー百科事典が案内する「フーコーの振り子」は、次の通り。

      フーコーの振り子
   フーコーの振り子(フーコーのふりこ、フランス語:Pendule de Foucault)は、長い振り子(通
  常10m以上)の底に質量の大きいおもりをつけたもので、地球が自転していることの証明に使用され
  る。レオン・フーコーが1851年1月8日にパリのパンテオンで公開実験を行い、地球の自転を証明した。
  【概要】
   フーコーの時代、地球の自転は常識となりつつあったが、それを物理的に証明する方法は開発され
  ていなかった。フーコーは、振り子を振れさせると、赤道以外の場所では、地球の自転によって振り
  子の振動方向がみかけ上少しずつ回転するようにずれていく(北半球では右回りに、南半球では左回
  りに)はずだと考えた。1851年にまず自宅地下室で2mの振り子を用いて実験を行い、同年2月パリ天
  文台にて公開実験を行って、成功を収めた。さらにナポレオン3世の好意により、同年3月から12月に
  かけてパンテオンにて公開実験が行われた。このとき用いた振り子は、パンテオンの大ドームから全
  長67mのワイヤーで28kgのおもりを吊るしたものであった。この振り子のオリジナルは、パリのメチ
  エ博物館に保存されている。また公開実験が行われたパンテオン内でも振り子の展示を見ることがで
  きる。
   フーコーの振り子は、コリオリの力が関係している。このため、この振り子の発明者はフーコーで
  はなくガスパール=ギュスターヴ・コリオリだと言われることがあるが、実際にはコリオリは自身の
  発見したコリオリの力が地球の自転の証明に使えるとは考えなかった。
   フーコーは在野の研究者で、いわゆる職業科学者ではなかったため、公開実験を見た科学者たち
  は、このような簡単な実験は既に誰かが思いついて行っているはずだと考え、過去の記録をあたった
  が、そのようなものは存在しなかった。
   フーコーの振り子が1周するのに必要な時間は、次の式で表される。この式もフーコーが発見した。
    1周に必要な時間(日) = 1日/sinθ(ここでθは振り子の場所の緯度)
    時間で計算するには、24時間/sinθ
  この式が正しいことは、後に他の科学者によって証明された。フーコー自身は式は提示したが証明は
  行っていない。

○この後に、ウィキペディアフリー百科事典では、日本に存在するフーコーの振り子装置の存在するところを34カ所も案内している。各所に随分フーコーの振り子が設置されていることに驚いた。

○文殊般若之門、万国霊廟長崎観音像、フーコーの振り子装置と、ここのお坊さんは、人を驚かすことが相当好きみたいである。