○項楚著「寒山詩註」は、寒山詩に続けて、拾得詩57首と佚詩6首を載せている。どうせなら、全部を訳し終えたい。それで、拾得詩の訳となる。今回が第57回で、『家有寒山詩(拾57)』詩になる。
【原文】
家有寒山詩(拾57)
家有寒山詩
勝汝看經巻
書放屏風上
時時看一徧
【書き下し文】
家に寒山詩有れば、
勝えて、汝、經巻を看、
屏風の上に書き放ち、
時時、一へに徧く看るべし。
【我が儘勝手な私訳】
あなたの家に寒山詩があれば、
あなたは残らず、寒山詩を読み、
屏風に寒山詩を書き記して、
時々、寒山詩を全て読んでみることを勧める。
○前回の拾得詩『我見世間人(拾56)』詩は、寒山詩『我見世間人(312)』詩と全く同じ作品だった。同様に、今回の『家有寒山詩(拾57)』詩もまた、寒山詩『家有寒山詩(313)』と全く同一である。
○加えて、詩の内容も、これはどう考えても寒山詩のものとするしかない。何故、これが拾得詩の中にあるかが、極めて不明とするしかない。
○これで、一応、拾得詩57首を全部訳し終えたことになる。ただ、項楚著「寒山詩註」はこの後に、拾得の佚詩を6作品案内している。それまで、全部訳し終えたい。
○写真はここのところ、四川省の峨眉山の写真を掲載している。峨眉山は中国四大仏教名山の一つである。当古代文化研究所では、これまで3回峨眉山へ参詣している。