先週のFM能楽堂、
観世喜正さんの「殺生石」
ご存知栃木県那須町にある「殺生石」の逸話。
鳥羽天皇の寵姫「玉藻の前」に化けた
野干(九尾の狐)が調伏され、
「約束堅き石となって」なる話。
そう言えば一昨年この「殺生石」が
真っ二つに割れたという話も聞いてて、
「すわ、傾城のMEGITSUNEが復活?」
という騒ぎになり、今の政界の状況も鑑みて、
ちょっと興味深かった。
さてお能の「殺生石」の話。
何度か舞台でも拝見しているし、
お仕舞の定番でもある。
昔、観世流の正門別会で、
観世栄夫さんが真っ赤な顔の力の
入った仕舞を披露したのを覚えている。
「飛び安座」といって、膝から胡座の
状態で落ちる形があるから。
ちょうど季節も秋の演目だから、
ご披露されたのだろう。
喜正先生は本当に佳い声をしている。
高音が伸びるから、聴いててスッキリする。
これから九皐会を引っ張っていくお立場。
今回は、若手の能楽師を地謡に起用して、
盛り立てていこうとするのが窺える。
この曲、謡い易いし、結構聞き応えもある。
もう一つの演目は「鐘馗」
科挙に落ちて自分の不甲斐なさを嘆き、
宮殿の階に頭打ちつけて死んだのを、
皇帝が憐れみ、官位を与えたという話。
日本で「鐘馗」というと、戦中の戦闘機か、
五月人形でお馴染み、坂上田村麻呂だけど。
これはあまり馴染みない曲だから、
興味深かった。
ちなみに今回は趣向を変えて、
カセットデッキで録音した。
UHER CR210
120分のテープ。
オートリバースは再生のみ。
ポータブルタイプで、あまり使わないけど、
良い音する。
まぁたまには良いかな?
カセットテープ、ストックいっぱいあるし。