小澤征爾先生がご逝去されました。

日経の速報で、

「?」

現実が受け止められませんでした。

やっと落ち着いて書いてます。

 

自分の中で常に当たり前のようにあった存在。

近年はご健康優れず、お姿拝見する機会は

ありませんでしたが。

 

私のクラシックの生演奏の、最初の体験が、

小澤征爾先生と、当時発足したばかりの

新日フィルのお披露目演奏会だった。

当時小学生だった自分でしたが、

クラシック音楽愛好家だった父親に連れられて。

 

演目は忘れたけど、

指揮者って、こんなによく喋って、親しみある

存在なんだ!

と子供心に印象的だった。

でもだんだん色々な指揮者のプロフィールや、

音楽を知るようになって、

この方は特別なんだ、ということもわかってきた。

一般的なイメージ、

飾らない、優しくて、お茶目で、でも何にでも

一生懸命真剣に取り組む姿勢。

あるバラエティの番組で、還暦のお祝いにと、

赤いちゃんちゃんこを贈られて、

(多分からかい半分と、クラシック楽壇の権威主義

への風刺もあったのかも)、その番組に、満面の笑みで

ちゃんと着た写真とお礼の言葉を添えたのを、

送っていたのをみて、

その番組の出演者がものすごく感激していたのも

覚えている。

ミュンシュや、カラヤン、そしてバーンスタインに

それはもう可愛がられたのは皆知っているけど、

その資質そのものが、本当に魅力的だったから

だと思う。

私は音楽の専門家では無いから、その音楽性や、

楽壇での立ち位置の評論は憚るけど、

素晴らしいものであるのは間違いない。

自分のレコードやCDライブラリー見たら、

いつの間にか結構持っているのにも気がついた。

交響曲だけでなく、協奏曲から歌劇まで。

この人の演奏なら間違いじゃ無い、と言う信頼感。

マスコミの記事では、「日本人として、、、」

というステレオタイプの記事があるけど、

確かにちょっと前なら、欧米の楽壇で、

日本人が活躍するのは、本当に大変だった、

というのも理解するが、

この方は、そういうものを完全に超越した存在だった、

と思う。

でなかったら、ヴイーンやベルリンで活躍できるはずない!

 

先月前妻の江戸京子さんの訃報があったけど、

決して仲違いではなかった、というのも、さもありなん、

と思うし、今頃はあちらの世界で、旧友を温めているのでは。

本当に寂しい。

山本直純先生、立川澄人先生、岡本喬生先生、などなど、

小さい頃から慣れ親しんできた方々が、また居なくなった。

 

心からお悔やみ申し上げます。

 

つばきファクトリーの新人のことを書こうと思っていたけど、

ちょっと心の中整理してからにします。