目の前に
凍てつく寒さに耐えきれず倒れてる人がいる。
いや、いたとする。
その時、私は
自分のコートをかけてあげるだろう。
私みたいな若造が…
ヒヨッコがそうするんだ
五十を過ぎた私の上司が
そんな場面に出くわしたら
きっと
元気を出せ!と風呂に入れ、御馳走を振る舞うのだろう。
私は、そう思っている。
だから
冷蔵庫で寒さに震える
水羊羹を温めてあげた。
胃袋と言う名の風呂に入れたんだ。
上司の好きな水羊羹
原田と書かれた水羊羹
上司は私を叱責するだろうか?
否
凍える水羊羹を助けた私を
誰が責めよう?
むしろ、責められるのは
上司 原田である。
棺桶にも似た
あの寒い冷蔵庫の中で
水羊羹は…水羊羹は…
くぅ…
許せん!!
もう一個食ってやる!