子犬でも怖いらしい。 | しるそばのうそ日記

子犬でも怖いらしい。

  知人の山本さん(仮)は、学生時代はラグビーでならした大男。 人当たりも良く、声と体の大きい好青年。
 
  ポメラニアンのビリーは、ポメラニアンにあるまじきデカさで、普通のポメラニアンの、倍ぐらいある、大ポメラニアン。 とはいえ、大変に大人しく、無駄吠えもしない、好ポメラニアンでもある。
 
  そんなひとりと一匹が、チョットした集まりで、一緒になったのだが、山本さん(仮)の怖がり方が、尋常じゃない。 実は、山本さん(仮)、子どもの頃に、犬に噛まれたことがあるらしく、大の犬嫌い。 ビリーにも決して近寄らず、「噛む? 噛む?」とくり返している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


大男の大悲鳴が響き渡った。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  普段なら、絶対に人を噛んだりしないビリーが、こういう時に限って噛む。 ビリーの名誉のためにいっておくと、ビリーはまったく歯を立てておらず、人が集まって、テンションの上がったビリーが、「はやく遊ぼう!」くらいの感じで、甘噛みしただけなのだが、山本さん(仮)にとっては、人食い狼現る! くらいの事件だったようで、遊んでもらおうと、近づくビリーから逃げ回る山本さん(仮)は、可哀想になるくらい、おびえていた。
 
  ぼくが今回いいたいのは、山本さん(仮)が、見かけによらず、怖がりだとか、ビリーは本当はお利口さんだということではなく、まわりで見ていた犬好きが、笑って見ているだけで、だれも助けに入らなかった、ということなのである。
 
  実際、ビリーが、山本さん(仮)を追いかけまわして、ケガをさせるようなことはなかったし、山本さん(仮)自身、ビリーがお利口さんだということは理解して、恐る恐る頭をなでたりしていたが、一歩間違えたら、事故になっていた可能性は、大いにあったと思う。
 
  犬好きが、全人類が犬好きだと思い込む。 猫好きが、全人類が猫好きだと思い込む。 まぁ、思い込むのは自由だが、現実がそうでない以上、事故が発生した時に、犬や猫が悪者にならないように、気を使う義務があるということは、忘れないでいただきたい。

 

  指をはむはむする、ビリーが、世界一かわいくても、である。
 

 

 

 

 

 

 


ぼくの人生につづく。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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