【再掲:直近の脳科学エビデンスを添えて】喪の作業:心をいやす旅 | ココロ トリセツ 

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心・取扱い説明


大切に思っていた人との別れ。

自分自身の身に起きた取り戻せない病変や老化。

本気でチャレンジしたけれど、到達できなかった願い。

 

とても大事なものを失ってしまった時、

「すべて意味があるのだから悲しんではいけない」

「すべては自分の責任だから、怒ったりするのは間違っている」

「しがみついて取り戻そうと執着するのは、醜いエゴだ」

 

「いついかなる時も、ポジティブであるべきである」という風潮があります。

 

泣くことも怒る事も、

絶望する事も、自分に許す事ができなくなり

確かに失ってしまったという事実を

消化することができず

傷ついたことを自分にさえ隠してしまうことがあります。

 

心に起きた深い痛みを

認識も手当もせずに

なかったことにしているだけなので

治癒は遅れ

表面だけのポジティブさの仮面をつけて生きていくことになります。

 

充分に悲しみ、怒り、激しい喪失感を受け入れる事が出来たとき

本当の治癒はおきると、

喪の作業、が教えてくれます。

 

 

喪の作業の段階

 

それぞれの段階を通過する期間は

喪失感の大きさなどによっても違いはありますが、

省略することはできません。

各段階を行ったり来たりしながら、離脱にいたります。

 

①麻痺/無感覚:「頭の中が真っ白になった」

激しいショックを受けて、あ然となっています。

何が起きたのか事実把握ができていません。

 

②否認/否定・反抗:「そんな事が起きるはずがない」

起きた事実を認める事を拒否します。

外から認識するように促されると、

猛烈に否定したり反抗したりします。

 

③抵抗/取引:「回避できる方法があるはずだ」

徐々に事実の認識が起きてきますが

なにかの方法で取り戻せるのではないか、回避できるのではないか、と、

抵抗や取引を試みます。

宗教にはまったり、執着したり妄想にとりつかれたりします。

 

④絶望・失意:「すべてが終わってしまった、意味がなかった」

事実の認識ができたことで、断念、絶望します。

無力感や徒労感・激しい自責や無気力な状態に陥ります。

 

⑤離脱・再建

喪失した事実を十分に悲しみ悼むことで、感情は徐々に穏やかになり

立ち直る努力をはじめます。

 

日常の忙しさに、充分なケアの時間をとることができないかもしれません。

ですが、喪の作業の期間が必要であることを知っているだけで、

自分自身の心の痛みに寄り添い、感情の波立ちも、励まし許す事ができます。

いつの日か、それでも懸命に生きている自分を誇らしく思える時がおとずれる事を信じて。

 

激しく深い喪失感も、しっかりと向き合う事ができれば

癒えていくものだということでもあります。

「トキ薬」と昔の人たちは知っていました。

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23年にかいたブログ記事です。最近の脳科学の進展が目覚ましいので、AIにファクトチェックとエビデンス提示をしてもらいました。以下が脳科学に基づくエビデンスになります。
(25年11月時点)

 脳科学のエビデンス:
グリーフの神経基盤(2024-2025の最新研究)心理学が進展しただけでなく、fMRI(機能的磁気共鳴画像)などの脳科学で、グリーフが「学習プロセス」として捉えられるようになりました。あなたの「しっかりと向き合う事ができれば癒えていく」というのは、脳の可塑性(変化能力)を反映していて素晴らしいです。主な発見を挙げます:

  • 麻痺/無感覚(ショック): 脳の扁桃体(感情中枢)が過剰活性化し、前頭前野(理性)が一時的に抑制される。2025年のfMRI研究で、喪失直後の被験者は「頭が真っ白」状態で、事実把握が難しくなることが確認。アドレナリンとコルチゾールの急増が原因で、数日〜数週間続く。
  • 否認/否定・反抗(怒り含む): 否認は防衛機制で、脳の報酬系(ドーパミン)が「現実逃避」を促す。怒りは辺縁系(扁桃体)の活性で、2024年の研究では反抗期に交感神経が活発化し、心拍数上昇。反抗を抑圧すると、長期的に不安障害リスク↑。
  • 抵抗/取引・絶望/失意: 取引(Bargaining)は前頭前野の「もしもシミュレーション」が暴走し、妄想を生む。絶望期はセロトニン低下で無気力に。2025年の神経生物学論文で、複雑性悲嘆(prolonged grief)では前頭前野の感情調整機能が乱れ、うつ様症状が持続。fMRIで、絶望期の被験者は視床下部-下垂体-副腎軸(HPA軸)のストレス応答が過剰と判明。
  • 離脱/再建(受容): 向き合うことで脳の海馬(記憶)と前頭前野が再構築。2024-2025の研究で、マインドフルネスや journaling(日記)が扁桃体の過剰を抑え、可塑性を促進。治癒は「トキ薬」同様、時間依存だが、積極的受容で6ヶ月以内に80%が改善。

全体として、グリーフは「適応的学習」:脳が喪失を「新しい現実」として書き換えるプロセス。未処理だと海馬萎縮(記憶障害)リスクあり。Huberman Labの2022年ポッドキャスト(2025年更新)でも、抗うつ薬より感情処理が有効と強調されています。

うまずたゆまず。たまにはみちくさしつつ(笑)
旅はつづく。