JAM FILMS

おもしろかったです、普通に。

短編が6本入ってて、それぞれ監督が別なので全く雰囲気が違っています。


なんかもっとわかりにくくて、微妙な感じかと思ってたんですが、

全然そんなことはなくて、楽しい楽しい。


当たり前ですが監督が違うと本当もう雰囲気が違うので、

一本で色んな気分を味わえました。


・「けん玉」   監督:篠原哲雄×山崎まさよし

・「HIJIKI」   監督:堤幸彦×佐々木蔵之介

・「JUSTICE」 監督:行定勲×妻夫木聡主演;妻夫木覚

・「ARITA」   監督:岩井俊ニ×広末涼子


この4つが特に好きでした。

短編はグダグダしてないから好きです。

あと大作じゃないので、その雰囲気が好きです。


ただ他人とは見たくはない映画。

「黄泉がえり」「海猿」「世界の中心で」がヒットな人たちとは特に。


ロッカーズ

すごく微妙、というかつまらないかったかもしれないです。

馬鹿けた場面がほぼ全て滑って見えるのでしんどい。

木更津キャッツアイを意識した作風だけど、比べると程遠い。

色んなことが気になって全く入り込めませんでした。



凶気の桜

まったくの興味外の作品。思えばなぜ手を出したのか・・・。


そもそも音楽がいわゆる完全にアメリカ意識のヒップホップ。

や、詳しくは知りませんけども。この手の人はここら辺のことうるさいので。

で、このような音楽を背景にして「アメリカどうこう、日本どうこう」語られても。


しかしこの手の人を見たとき、いつもぬるいな、自由に生きてるなと思う。

突っ張るだけ突っ張って、死に際が見えたら潔く死ぬ。ああカッコイイネという感じ。

現実は厳しいものだと知り、それを受け入れて、自分の守れる範囲の幸せを守っていく。

そんな大人になりたい、といつも思う。


ロボコン

不思議な空気の作品でした。

なんともテンションが低いというか・・、

ただそれが実は妙にリアリティーを出していることにどこかで気づきました。

青春映画を謳っているくせに、なんだこの爽快感のなさは。

 →しかし妙にリアルだな・・、という感じでした。


物語の主人公・里美の気持ちの変化がすごく伝わってきました。


なんともつまらない毎日。里美は授業をさぼり保健室に入り浸る。

さすがに担任がしびれをきらし居残り授業を言い渡す。

ただ、居残り授業を逃れる方法があるという。

第二ロボット部に入ることだ。

こんな経緯で入った部活だからもちろんかったるい。

しかも明後日は練習試合。もうめちゃめちゃかったるい。

試合は負けた、そりゃそうだこんな無気力な部員達だ。

でも、なんか無性に悔しい。腹が立つ。

里美はまず自分が始めることにした。


こんな里美につられ、少しずつ変わっていく部を描いた映画です。


とにかく覇気がない、この映画の登場人物達は

青春に必要な努力とか熱意とか根性とか協力といった言葉を一切知らない。それに気づくのはもう全国大会も始まってからという遅れっぷり。

ただ、なんかそこがリアル・・・というか。

テンションは低いんだけど、退屈ではなかった。

夜勤明けなのに、一瞬も眠くならなかった。

気になってキャストインタビューとかも見てみた。


キャストインタビューで全員が口にしていたこと。それは、

「監督からとにかく演じないことを演じてくれ、と言われた。

セリフや行動に違和感を感じたら、変えてみたり

あるいはやらなくてもいい。とにかく自然にやってくれと言われた。」ということ。

なるほど、、この映画の妙な空気感はこれかと。

なんかすごく納得した。とりあえずもう一回見てみようと思う。

ナニコレ全然オモシロクナイ、とはできない不思議な感じがこの映画にはありました。



花

男二人のロードムービー。

一人は野崎陽一郎、元営業マン。

動脈瘤だと医者に宣告され、会社は退社。

動脈瘤の破裂は5分後か5年後かはわからないが、

手術をしなければいつかそれは破裂し死に至る。

手術は大変なリスクを伴い、最悪今までの29年間の記憶を失うこともあるという。

もう一人は鳥越弘、弁護士。

鹿児島・指宿のホスピルから妻・恵子の死を告げられる。

悲しいことに、妻・恵子の顔が思い出せない。

恵子とは駆け落ちまでした結婚だったが、仕事の忙しさから離婚。その時に写真は全て捨てた。

鳥越は鹿児島まで車で行くことを決め、

そのドライバーとして野崎は依頼を受ける。

通る道は国道一号線、二号線、そして三号線。

鳥越がかつて恵子と駆け落ちした時に通った道だ。



実はこの映画を見ているとき、いつもにもまして集中力がなかった。

何度巻き戻して見たことか。

また淡々としているので、眠くなって三回程寝ました。


それでも言えるのが、この映画はすごくいい映画だということ。


映画に集中できなかったのは色々考えてしまったからでした。

記憶を失うことと死ぬことは、自分だったらどっちのが嫌かな、とか。

ただ集中できてなくてもラストはわかりやすいので無問題。


ラストがすごくよかったです。


恵子の遺品というのは二冊のファイルだった。

ファイルには鳥越が25年追っていた冤罪事件の新聞記事の切り抜きが綴じられていた。ファイルの黄ばみが25年の長さを語っている。

最後に一枚の写真が挟まっていた。若い頃の鳥越と恵子が写っていた。

恵子の残したものはもう一つあるという。

海岸に広がる「忘れな草」の花畑だ。

恵子がこの鹿児島のホスピルにきた時に植え、ここまで育ててきたのだ。

忘れな草の花言葉は、真実の愛。

そしてもう一つ、「わたしを忘れないで」。

鳥越は泣いた、きっと全てを思い出したのだ。


野崎は手術を受けることを決心する、鳥越の姿に自分を見た。

「記憶を失ってもきっとここにくれば思い出せる。」

そんな野崎に鳥越が言った。

「それでも俺はお前を無傷で待つ。」



涙こそ出なかったのですが、感動はとても大きかったです。

また後から後から、胸の中で感動が膨らんでくるような感じでした。

深い愛、そして生きる希望、意味を噛みしめる作品。

ただの淡々としたロードムービーで終わることはなかったです。

DVDに保存してまた見ようと思います。


世界の中心で、愛を叫ぶ

前にも一度DVDで見たのでこれで二回目ですが・・・。


やっぱりどうも感動どころがわからなかったです。

なんというか完全にサクはアキのことを忘れていたt思うのですよ。

実際、「なんで忘れちまうんだろうな」って言ってるし。


もうこれが前提としてあるから、アキとの過去が綴られれば綴られるほどに

「ならどうして・・・・!」

という思いが募ってしまうのでした。


また、もう一つ嫌だったのが、これは見せ方のせいなのかもしれないですが、二人がどうもどこかで死を受け入れているような印象を受けてしまいます。いわゆる”悲劇の二人”みたいな。

二人が受け入れちゃってるから、死んでも「ああ、死んだか」で終わっちゃうと思うんですよ。



忘れちゃった男と悲劇のヒロイン、これじゃあちょっとラブストーリーの主人公としてはどうにも・・・という感じです。



BIG FISH

うちの近くのTSUTAYAの半額キャンペーンがまた始まりました。

以前に友達に試写会として連れて行ってもらったので、

これで観るのは二度目。

飽きることなく、むしろ二回目の方が楽しめたかもというぐらいでした。


父・エドワードが息子・ウィルに何百回と聞かせた自分の冒険譚はどれも現実離れしたおもしろおかしい話。小さい時はおもしろおかしくその話を聞いていたウィルも大人になりさすがにそれは現実ではない作り話だと悟り、そんな話を何度も聞かせてくる父にはうんざりだった。


ウィルは父とは自分の結婚式以来口をきいていない。

そんな父・エドワードに死期が迫る・・・。



エドワードの話一つ一つが夢がありとてもキレイで見ていて飽きることはないです。とくにエドワードとウィルの母・サンドラのエピソードが特にいい。

その出会いから再会までとてもキレイです。


ただ自分が一番好きだったのは作り話の方じゃなくて、

現実の話のほうで、エドワードにいよいよ最後のときが訪れるとき。


ウィルは気づき始めていた、父の話は全てが作り話ではないということを。

父は最期にウィルに自分の死に方を話してくれ、と言う。

その話は聞いたことのないウィルだけど、

「わかった、考えてみる。出だしだけ教えて。」と言い語り始めた。

ウィルが語った父の死に方には、今までに父が語り聞かせてきた作り話の登場人物があますことなく登場する・・。


このラストでエドワードの思いがエドワードという人間がどっと心に流れ込んできて、思わず泣いてしまいました。

父の愛が優しさが自分を包み込むとか、そんなんじゃなくてもう心にどどどっと流れ込んでくる。すごく心に残る作品だと思います。

”BIG FISH”の意味を知ってください。



THE 3名様

何を借りるでもなくTSUTAYAに入ったら見つけたので即レンタル。

テレビで紹介してて見たいなーっと思ってたのでラッキー。


感想ですが・・・、


バッカバカしい(笑)


毎日ファミレスに通うグダグダ3人組の日常の短編集。

ほんとグダグダでそん時の空気でしか笑えないようなことで盛り上がって、

すっごい盛り上がっちゃって・・・、そして次には何喋っていいかわからないあの冷め切った空気、温度差。

たまりませんねぇ、ものすごいわかります。

ほんとその感じをたまたまビデオ回してました、みたいな感じでものすごくリアルに描かれています。

でも、見てて劇中の彼らと一緒に笑うということはありませんでした。

とてもリアルですけど、生のあの空気には敵わない。

朝が来るのなんて何気にあっという間ですからね。


あー早くテスト前こないかなーファミレス行きてー

深呼吸の必要

監督が「天国の本屋~恋火」の篠原哲雄、ということで借りてみました。


アルバイトとして5人の男女が沖縄にやってきて、

そこで35日間住み込みでさとうきび刈りを手伝う、という話。


いわゆる「あいのり」的な話を想像していたのですが、

まったくその雰囲気も気配もありませんでした。

というか、ほとんどセリフがありませんでした。


たださとうきびの量が日に日に減っていくだけです。


この映画、わかる人にしかわからないなーと思いました。

これは悪い意味ではなくて、

むしろ今、何かを頑張っている人や今の生活に満足している人に届かないと思います。


ただ黙々と日々、さとうきびを刈る。

最初は唖然とするような量だったさとうきびが、少しずつ少しずつ減っていく。

自分が一日に刈れるさとうきびの量が日に日に増えていく。

でも期日までは後10日しかない、どうやら間に合わなさそうだ。

どうする諦めるか、いや諦めたくない。

あと一時間早く起きよう。できるか、できるさ!


この映画すごくいい映画です。

わかる人にしかわからない、と書きましたが、

この映画わかる人ってすごく多いと思います。

中学、高校までって結構みんな目標もって部活なりなんなり頑張ってたりするけど、

それを過ぎて大学や社会人になったときに、

同じように日々目標持って、生きてる人って少ないと思います。

それで毎日、一日一日が楽しければいいや、なんて言ってたりして。

でも、何か目標持ってみんなで頑張ってその目標を達成したときの喜びって

もう嬉しすぎて、楽しいとかそういうのとかと、比にならないんですよね。


だから、こうしてみんなで期日に間に合わせようと協力して

朝早く起きて頑張って、さとうきびを刈りきる。

この目標を持って過ごした一ヶ月、

そしてその目標を達成することができた自分。

彼らにとって得るものは大きかったと思います。

彼らの顔には確実に大きな変化がありました。


忘れたくない映画のひとつ。