長年憧れてきて
初めて足を踏み入れた国立歌劇場
どことなくパリのガルニエにも似てるような気はするが
キラキラッ☆なガルニエ宮を女王と喩えるのなら
こちらはもうちょっとドッシリと構えた王の風格を思わせる重厚感がある
あ! 建物に見惚れる前に私にはせねばならんことがあった・・・
そう。
クローク横の柱の陰で履いてきたスニーカーから
ヒールの革靴にお取替え♪
人目を忍んだはずだが
マダム2人組と目が合ってしまった(笑)
ふふっ!とわざと自慢げに微笑むと
ウンウン・・・・と理解を示すように頷き微笑み返される
日本人特有のヘヘヘ・・とその場しのぎの笑顔ではなく
私は意志をもって(理由があって)こうしているのだ!という説得力が大事だと思ったので
その辺「堂々と見せる」ことは得意な分野である(要は図々しいということ)
前夜の楽友協会で開場を待つ間
西洋人のマダムのドレスコードを観察していた
皆様 お召し物は華やいだ 若しくは 上質な
ドレスやスーツ姿だったけれど
ある一定の年齢以上の方は思いの他スニーカー姿が目立った
今は当たり前になったが
遠い昔
スーツ姿にスニーカーを初めて見た頃
違和感があったものだけれど
自分も齢を重ね こうして「膝が痛いっ!」という状態になると
足元 スニーカーでも有りなんだ! と
ありがたいことを学んだ
少なくとも自分が不自由をしていないと
お歳を召された女性の足元にまで興味が湧かなかった
※ただし! 皆様 決して汚れた履きつぶしたスニーカーを履いているわけではない!
そこは注意! 何より
スニーカーで説得力のある 足首から上の華やぎと品格・・・・はなかなかのハードルなんだとは思う
でも 旅先あちこちで歌劇場でオペラやコンサートを見てきた私だけれど
ここでも
ウィーンの国立歌劇場は<<違う>>
そんな話を繰り返し聞かされてきた私
しかも それでなくても
アジアの汚婆は 足元だけは革靴じゃないとな・・・・と
考えた末
オペラ座界隈若しくは 入り口で履き替えよう・・・との考えに至ったのだった
これは諸々を思い返しても正解だった♡
このウィーンの歌劇場も実際は
全員が全員正装というわけではなかった
旅の途中の方もいらっしゃるわけで
ラフな姿の方もみつけることは可能
が、 やはり パリをはじめとする他の歌劇場に比べ
正装比率はすこぶる高い
パリあたりとは逆転してるかんじ?
そんな中でも<<自分が臆することがない服装>>で<<リラックスして音楽を楽しめる>>
それが自分にとってのドレスコードなんだろう・・・・と思った
服で音楽をつくる訳ではない
だが、上質の音楽を聴く場を壊す権利もない
それは
ラフとは言い難い
着古したパジャマに準じた服装の親子を目にした人々の視線に学んだ
ほぼ満席
少なくとも私の周辺に空席は皆無
私はカテゴリーにして3番目くらいの価格帯のバルコン席
ステージの欠けは一切ない
音響的にも問題のない位置だった
各々の席に字幕を見る小さな画面が取り付けられているのはさすが!
ドイツ語、英語、フランス語、イタリア語だったかな?
4ヵ国語の字幕が選べる
HPに日本語サイトはあるものの
さすがに字幕に日本語はなかった・・・・(笑)
あのゲームの始まるようなよく知られた前奏曲が流れ出したとたん
私は取り肌が立った!
うぉー! これから6時間の長丁場が始まる!
が 危惧していた己の腹に意識が行くこともなく
私を形成する全ての細胞が湧きたつような気がした