一泊二日、往復鈍行パリへの旅

それでも 若干の交通費と宿泊費がかかっている

貧乏性の私は歩いた歩いたその歩数2日で3万超!

 

 

普段引きこもりの私

前日は87歩 これで生活事足りているのだから

不思議である

 

 

私の住まうおふらんす「ここ」地方も

パリも 「夏」が行方不明

 

それもこの二日繰り返し雨が降っていた

それもパラパラというカワイイものではなく

バランバランという激しいものが頻繁に空から落ちてきた

 

風も強く

ユニクロの小さくまとまるヤッケ(と今は言わないな)を持参して大正解

夏服でパリで出向いた私は不正解

 

 

いつもの場所に娘にも会いに行ってきた

お約束の私のウルウル・・・モードに変身する前に

空が号泣してくれたから

私は今回のパリで泣かずに済んだ

啼かずにも済んだ・・・・

 

 

 

相変わらずキタナ・ステキなメトロを歩くだけで嬉しくなる

最近じゃ美しく改装された駅や 路線によっては大分新しい列車が使用されている場合もあるけれど

私は香しいぐらいの汚さがパリの魅力の1つだと考えていて

この世界観はずーっと続いてほしい

 

 

どこかで誰かがバッハのバディネリを演奏している

くねった通路 奏者の姿は見えないけれど

イイ感じに響いてくる音楽に

地下鉄が入って来る音が入り混じるコラボレーション

 

 

古い車体は

停車駅の表示が固定で

アナウンスも流れるとも限らない

乗った駅と次の停車駅の関係性で

表示とずっとにらめっこ・・・

先進国とは思えぬ旧来然とした

あまり優しくないところも 嫌いじゃない

 

通常ホームに出る前に進行方向の路線図が貼られているが

乗り換え口から隣の別路線のホームに出られたので

そのホームが目的地へ向かうのか

反対側なのかわからなかった

近くにいたマダムに尋ねたが

「わからない」という。

 

そこに隣の優しそうなムシュウが

「コレだ!」と

今まさに発車せんばかりの列車を首で示す

 

「コレでいいの? コレ〇〇へいくの?」

「oui」

私はその列車に飛び乗った

 

・・・・・・ら反対方向だった(笑)

 

その殿方は意地悪で私にコレといったわけではなさそうだ

ただ わかっていない 確実ではない ことも

自信満々に「oui」と応える

 

それもココならでは・・・・なのかもしれない

 

 

 

今 パリはバカンスシーズン そして来たるオリンピックに向けて

地下鉄のアチコチでも工事中 イレギュラーな運航をしている

 

臨時の終着駅から本来の終着駅まではバスが代行なんて場所もある

 

係員がかなり投入されていて

観光客が迷わぬうようにしているように見受けられるが

やはりそこはフランス

手が回っていないのか

最初から捨てているのか?

案内人がいない かつ チケット売り場が無い!という

出入口もあったりする

 

外から来た人間は慣れない町で困るわけだ

 

チケットはないが先を急ぐ

 

私が出口から出ようとすると

その隙に次々大量の!人が入り込んできて

私が出ることができない

 

私が「時間がないのよ!」と声を荒げると

優しいムシューが キミは他の出口から出てさっさとお行き という

 

イヤハヤ

私が開けた扉で どんだけの人が地下鉄構内に流れ込んだことか・・・・

 

 

ここパリでは

否多分 欧州全般?

押しが強い人が勝つんだろう・・・・

奥ゆかしさとは?

 

そもそもそんな単語もないのか?

 

 

たった1日でも

「面白い」光景が次々と現れ

飽きない 飽きない

 

 

薄汚いパリの地下鉄

私が人生で初めて心に刻んだ映画

リシャール・ベリの「無伴奏・シャコンヌ」

 

薄汚れた(ように映る)映像と

セリフの代わりに響く鋭敏なまでの

ギドン・クレメールの奏するシャコンヌ
今も変わらぬ地下鉄の音

 

暗い地下から階段を上がって広がる

空と緑とオスマン様式の融合美

その空が青くても鉛色でも

本当に美しい

 

「混沌」と「猥雑」をまとっているからこそ

際立つ美

 

そんな街が やはり嫌いではない