少し前 給食のオバさんとして手伝いに上がっていたワイナリーで

出来合いのトルテリーニ(生)を食べる機会あり。

想像以上に「んまい」ということを認識し(どこかインスタントを舐めていた)

週末 いつもの生鮮食料品専門スーパー グランフレで

「jambon fin」(上質なハム)入りの生のトルテリーニを購入してきた

 

手元にある完熟トマトとタマネギのみじん切りをコトコトと(でも短時間)煮込み

玉ねぎの旨味が出たであろう頃に乾燥ローズマリーを加え 塩コショウで味を整え

茹で上げたトルテリーニにかけてパルメジャーノレッジャーノの粉をふりふりして

テラスで摘まんだミニサイズのバジルを添えた

 

いやぁ・・・・ ここはイタリーか!?と思うほど 美味である。

 

昨夜は そのときに煮込んだトマトソースを瓶に入れ冷蔵保存してあったので

ちょいと上質のオイルサーディンを加え ←上質だと塩味が少なくトマトースに奥行がないので

チューブ入りサーディンやニンニクもちょい足しして

やはりグランフレで購入してきた 「生」のパッケリを茹でて(生だとたった4分の茹で時間!)

食べたら

こりゃまた ここは サルデーニャか?シシリーか!?というほど

本格的なイタリーの味になった。

 

旅行に行かなくても良くない!? と 心にもないことを口にする私。

 

だが 私がそれらの場所に求めるのは んまいパスタに加え

美しい海なのだから

海なし県に住まう私は そんなことをいいつつ 機会をみつけては

イタリーの海を眺めに行くことになるのだろうけれど・・・・・。

 

 

慣れない給食のおばさん業も 少し前に卒業と相成った。

 

終盤のとある日

ランチの時間を使って

各々の故郷へと戻ってゆく季節労働者のために打ち上げが開催された

 

「うーちゃん その日は細巻寿司をつくってくださいます?」

 

・・・・・・と オーナーに依頼され

「喜んで!」 と

笑顔で受けたのは良いけれど

 

 

この上ない<不器用>女は 急遽そのプレッシャーに押しやられそうになる。

 

何せ 在中国の頃

小籠包を習いに行ったのだが

 

Xiao Long Bao by Junhao!.jpg

(ウィキから画像を借りた)

 

小籠包をイメージするとき 普通はこのような形状であろう。

 

私は講師の言う通り 手先を動かした<はず>だというのに

私の小籠包 第一号は

 

 

どこをどうみても 芋虫でしかなかった・・・・・😱

 

 

その後 どうにかこうにか

円形(?)にちかづきつつあり

ソレが 小籠包か?餃子か?シュウマイか?と問われたら

<かろうじて> 小籠包と人はこたえるであろう・・・・形まで

成長をして その日の単発レッスンは終了したのであるが

小籠包は 店で食べるべし・・・・・ と

心に誓ったことはいうまでもない。

 

まぁ

手先が不器用な上

どうやら私は 手のひらに熱をもっているタイプで

パオもの全般(含和菓子)

どうやら手の熱によって形が崩れやすいらしい・・・・という

最もらしい 理由だか理屈を思いつくのにそう時間を要することはなかったのだが・・・

 

 

しかしだ

 

50余歳の専業主婦が

自国の伝統料理 細巻き作れません うふっ!♡ と笑ってごまかすことは

私の 「食い意地の張った 食べることだけがんばってきた 専業主婦期間」を思うと

決して口には出せぬプライドもある。

 

請け負ったその日の内の夜

翌々日に迎える決戦(いえ 寿司を巻くだけ)の日に備え

 

<<絶対失敗しない>> を冠にしている

細巻き動画を検索しまくり

繰り返し繰り返し他人様が寿司を巻いている動画を見続けた

中にはラオス人が紹介するラオス料理のサイトで何故か 巻き寿司を紹介していたり(笑)

英語圏の人の説明まで見る。

 

外国人が簡単に巻いている寿司を

手先が器用とされる日本人の私が巻けないはずはない!!

(差別じゃありません。 己を鼓舞しているだけです)

 

 

・・・・果たして

その夜は麺料理を夫に用意したが

併せて 昨夜の残り飯をチンしてすし酢をつくり(ワイナリーにはすし酢はないと考え)

動画数本分の知恵を脳内に叩き込んで

巻きだした

 

 

うぉおおおおお

 

うぉおおおお

 

 

かつて 具材がはじにいってしまったり

海苔が余り過ぎたり はたまた 足らなくなったり・・・・

巻きがあまくて 崩れたり・・・・

巻いた半分を他人様に出せないでいたであろう「出来」の私の巻き寿司は

最初から一度も失敗することなく 美しく巻けたのだ!!

 

 

 

やればできるじゃねーか私!?

(自画自賛のハードル低くてごめんなさい)

 

<<寿司を切る>>

 

ということも下手すぎる私だが

この夜は 動画の通り

毎回毎回 酢水で包丁を<洗う>に近いほどキレイにしてから切ったので

切り口も美しく 失敗知らずであった。

 

 

ん。 これで 打ち上げの日の日本代表(?) 巻き寿司は完璧だな・・・

 

 

それでも 数十人分の巻き寿司をつくるのに

私はドキドキでワイナリーに出向いた。

 

海外の人々に 和食の誤発信は避けたい

おいしい!米を食べさせたい

ワイナリーで用意された米は和食用の米ではないと聞いているため

私は自宅の日本の窯炊くタイプの炊飯器と変圧器を持参する力の入れよう(アホ)

 

そして 米のポテンシャルを上げるのに有効とされる

氷を入れて炊く・・・・に準じて(ワイナリーに氷がなかった)

私は己の飲料水を冷凍して持参していたので

溶けたばかりの氷水を足して米を炊き上げた

 

摘まんでみると ん。日本人の口にも合う 十分おいしい状態に炊けた。

 

あとは 寿司酢用に提供された

上質の赤ワインビネガー(上質すぎてワインの香りの主張高し)と安価な普通のビネガーと砂糖等々を混ぜて

なかなか上質な寿司酢をつくった。

 

たまたま夫が「おいしい寿司酢をつくるには 砂糖はケチってはいけないんだって!」と

見ていたテレビで得た情報を私に伝えてくれたことがあったので

それを思い出し 普段の私の料理より ふんだんに砂糖を使う。

 

いよいよ「巻きだ!」 勝負の時だ!

 

その段になって

シェフ・アインシュタイン(数学学者であるが風貌がアインシュタインのようであり、時折相対性理論のプリントされたTシャツを着てきていた)が

「うー 今からスシのレッスンか!?」と

私の真ん前に座りだした(笑)

 

おいおい 緊張してるんだよ! どけよ!

 

なんて言えるはずもなく

 

 

私は 彼には申し訳ないけれど

言葉少なげに あまり反応せず

目の前の寿司を巻くのに集中した。

 

2日間の動画をみまくったおかげで

チャチャチャと巻きは成功してゆく

 

あっという間に 5合20数本の細巻きは巻き終えた。

 

 

しかし ここからが問題であった

 

 

海苔のサイズは一定のはず

その海苔を 目分量で丁寧に6等分して切ってゆく

 

かなり正確に切っているはずだった(そこは 得意分野)

 

しかし

 

 

しかしだ・・・・・

 

 

 

切り終わった寿司の背の高さがまるで一定せず

ガチャガチャなのだ・・・・・

 

どうしてこうなるのだろう!?

 

 

たとえ デパ地下あたりで

バイトであろう人が細巻きを切ったとて

売り物の寿司は 一定の高さを保っているではないか!?

 

 

ま、いいか!? テキトーでいいか!? という

B型特有の「いいかげんな私」を どこかにおいやり

目の前の細巻きに真摯に向き合ったというのに

(大げさだろうが マヂ!!)

 

高さの揃わぬ巻き寿司・・・・が 日本人の手によるものとは

しかも 専業主婦になって 長い年月があるというのに・・・・・

 

 

ここのワイナリーのオーナーが

 

「でも キッチリ揃っているよりカワイイし 

そのほうがこの国のセンスには合ってるよ」 とフォローをしてくれた(ホントに優しい)

 

 

 

かっぱ巻きは巻きやすく切りやすい

ツナマヨは 仏人はじめ欧州人にも大人気だが

巻きに力を入れ過ぎると水分が浮いてきてしまうし

切りづらい

(切りづらさを考慮し 予め水分少な目にしたのだけれどね)

 

 

兎に角 次は目分量に頼らず

目印をつくって それに合わせて切るべし!

 

 

 

私の細巻き名人への道はまだまだ始まったばかりだ(だから大袈裟だって!!)

 

 

 

寿司はあっという間にはけ・・・・

その後 残り物で大量カナッペなんかつくり・・・・

 

私の給食のおばさん業は終わりとなった

 

 

 

ワイナリーの人々は これからが さらに多忙

 

 

 

 

ご縁あって 世界アチコチのワイナリーに「お客様」として伺うことは少なくはなかったが

こんな風に ゴクゴク ゴクゴク ゴクゴク!!(←シツコイ笑) 微力ではあるが

内側に入ってお手伝いする機会を得たこと本当にありがたいな・・・・と 心の底から感謝している