青空の下のトゥルッリ群 もステキだけれど

 

 

夕闇を迎え灯りのついた街もなかなかステキです。

 

ただし

まだ「ギリギリ」旅行シーズン前。

朝夕は冷え込み寒い上に

コロナめっ!のせいで観光客が激減しているのは

世界の観光地いずこも一緒で

制限がいろいろ緩くなりつつある欧州も

アジアからの客が戻らない今 かつての活気は戻っていないのだと思う。

 

何せ ハナから期待していないのか?

金曜日の夜だというのに

店を閉めている土産屋やレストランが目につく。

 

めったに訪問できないであろう

同じイタリーでも訪問が面倒なプーリアだもの

自分のための記念品を何か・・・・・と

物色したいのだけれど

そもそも気の利いた土産屋が最初からあるのかないのか?わからぬが

食指の動く店構えの店となかなか出会えない。

 

とある店の前で

小柄な婆ちゃんに声をかけられた。

 

「あなたたち どこからきたの?

日本人か?」

 

「ハイ 日本人です。 フランスに住んでいるけれど」

 

すると

 

婆ちゃんは いきなり日本語で

 

「私 5回?ううん6回 日本に行きました。

来て来て!」と 自分の店に我々を誘うではないか

 

 

奥行のある土産屋の奥に我々を通すと

見て!と

 

 

なんとまぁ 店の奥には 提灯! 白川郷 と書かれている。

 

 

 

 

 

どうやら 彼女の説明によると

このアルベロベッロは白川郷と姉妹都市なのだそうだ

 

親善大使として 彼女はこの村の代表の1人として

繰り返し白川郷+αに訪問しているらしい

 

愛らしい浴衣姿、着物姿の写真を

(頼んでもいないのに(笑)) 披露してくれた

 

そして アルベロベッロを紹介する 日本のテレビ番組にも

いくつか出演しているらしく

そのときのロケの写真も一緒にみせてくれて

(頼んでもないのに(笑)) いろいろ説明してくれるのだった。

 

 

中には イケメン俳優岩城何某氏とその妻である美人モデルと一緒におさまる写真も何枚もある。

 

自分はどんなに日本を愛しているのか

自分は どんなに日本を思慕しているのか

 

彼女は我々に訴える。

 

 

日本人として 外国人の熱く語る日本への愛を

嬉しくないわけはない。

 

たとえ ある種のリップサービスを含むとしても。

 

 

賢明に説明をする婆ちゃんの横顔を見て

何だか 今は亡き 自分の婆ちゃんにも似てるな・・・

 

というか 何で人は歳をとり、老人になってゆくと

性差も人種差も薄れ 同じ様になってゆくんだろ?(笑)

 

関係のない素朴な疑問も湧く。

 

 

 

ひとしきり 彼女の中で決められた説明が終了した頃合いで

彼女が差し出したのは

 

 

 

 

この紙に書いた文字!(笑)

何とも嬉しそうな顔(笑)

 

(誰だよ!丁寧に訳して書いてあげた日本人は!)

 

 

 

ハイハイハイ・・・・・ わかってますよ お約束ね!(笑)

 

わかっちゃいるけれど

この顔をみて こっちまで嬉しくなる。

 

 

 

そして 日本と自分の関係性を説明してくれたときよりも

さらに力をこめて

自分のところの製品の説明をしだす。

 

「こりゃ 買わないわけにいかないよなあ?」

 

通常ケチ もとい 経済観念発達夫のほうが

情にほだされ そう口にする。

 

通常なら

「うーちゃん 値切れよ。〇〇円なら買い」と

値切り担当の私に指示を入れてくるくせに

婆ちゃんの笑顔にすっかり魅せられたらしく

値引き交渉さえ言ってこない。

 

 

どう冷静に考えても

日本人特別価格なんてあるわけもないだろうし

この店の価格は 値引き前提で決定してるんだろうな・・・・・とは思うけれど(笑)

 

しかぁし

ここの白を基調とした布地類

食べこぼしの多い我々夫婦

使うか!?

 

あんまり「物色する」ことに力が入らずにいる私を察知してか?

 

 

婆ちゃん

 

「これは ティッシュケースです」

 

 

そう言って

ティッシュケースを持ち上げ

それをひっくり返す・・・・・と

 

 

 

 

 

内側に入れられていたのは

日本のティッシュ ネピア・・・・・・

 

 

 

・・・・・・ 芸が細かい(笑)

 

 

これには 再び爆笑するしかなかった

 

 

 

婆ちゃん

 

日本人は特別価格なんでしょう?

 

なら (もっと安くしてよ)

 

 

そのつもりで聞いたけれど

彼女は 本当に気づかなかったのか?

気付かないふりをしたのか? 定かではないが

 

私のさらなる値引き交渉は完全にスルー(笑)

 

そして

 

さらに私達を裏庭に導き

階段を上がっておいで!

テラスだよ テラス!

 

そういって

アルベロベッロの街が一望できるテラスへと誘った

 

 

 

ここまで 全ての彼女の行動を

1つのエンターティメントとして受け止めることにした。

 

十分笑わせてもらい

なんか 癒しまでいただいたのだから・・・・・

 

 

(正直 わが家のインテリアに合うような好みの品はなかったのだけれど)

夫婦で使えるランチョンマットだけ購入(ケチかよ!? でも手作業の品だったので まぁ数千円分は支払った)

 

 

彼女にとって

日本人は 愛すべき 「カモ」 なのカモしれない(笑)

 

 

まぁ 「カモ」 にされるとわかっていても

それでも余りある魅力を彼女は有しているのだけれど(笑)

 

 

 

 

心地よい 騙され(?)気分で 町中を散策し

その夜辿り着いたのは

予め調べた上 ホテルで予約をとってもらった(通常は自力で予約するが

店自体がホント少ない時季だったので地元の力を使わないと金曜日の夜は

夕餉にありつけないであろう・・・・と想像して)

店で 今回の旅初めてのイタリー夕餉を頂戴する。

 

イロイロ 地元の料理をオーダーしたが

どれもはずれなく 美味。

(イタリーでハズレをひくほうが難しい!?)

 

特に

 

 

どれが白いんげんか どれがショートパスタか? わからない

ムールと白いんげんとパスタのトマト煮込みの旨いこと!

 

 

 

あんまり 豆豆しい・・・・スープ類は(食感を)好まない夫も

喜んで飲んでいた(食べていた?)

 

 

大満足のまま

今回の旅 第一の目的地

アルベロベッロを離れるのであった

 

 

婆ちゃん

 

長生きしてね・・・・・・