(その2)


  大正15年、解くすべもない惑いを背負って、行乞流転の旅に出る・・・


分け入っても分け入っても青い山


まったく雲がない笠をぬぎ


酔うてこほろぎと寝てゐたよ


 昭和6年12月、大宰府参拝の後、前書きに自らをあざ笑う「自嘲」とかいて・・・


うしろすがたのしぐれてゆくか


 そして、いよいよ死を迎える昭和15年、松山・一草庵でのつぶやきは「一人

 一草の簡素で事足りる。私の道は、私の愚を貫くよりほかにありえない。」

 

おちついて死ねそうな草萌ゆる


 昭和15年4月、句集「草木塔」を刊行、句友・仲間らに手渡す旅から帰省後

 10月10日松山・一草庵にて脳溢血で倒れる。10月15日、コロリ大往生。

 58歳で没。 辞世の句・・・


もりもり盛りあがる雲へあゆむ