古いものたちの記録
その7
ヴァイオリン
庭の隅っこの、かろうじて風雨の当たらない場所にヴァイオリンが無造作に置かれていたのを見つけ、わたくし普通に「昭和40年あたりに子供が学校とか習い事とかで使うために買ったものかな(つまり昭和に生産された練習用とかのもの)」と思い、ペイントしようかな~、展示映えしそうだな~、と迷わず持ち帰りました。ドロドロのボロボロ。
洗いました。
ボロボロだけど、洗うとやっぱりヴァイオリンの貫禄みたいなのが出るな。いい色。
中にラベルがあったので検索しました。
遠藤周孝(1863-1910)
「明治時代のヴァイオリン製作者。戦争で作品の大半が焼失したので希少」
日本でのヴァイオリン製作のほぼ初期の頃の製作者のひとりだって。
ヴァイオリンの歴史にも名前が出てくるようなひと。
明治37年(1904年)のものかもしれないとのこと。
お、ちょうど120年前。
このヴァイオリン自体はまあボロボロだしね、価値はそれほどあるわけではなく、資料程度・・・みたいな感じらしい。
同じところから持ち帰った椅子に置くとなかなか絵になるな。
昭和のものだと思ってペイントとか何かするつもりでサクッと持ち帰ったので、明治時代という思わぬワードにちょっと逡巡が出るわたくし。音が出せるまでに直そうと思うと10万円超えるだろうし、ヴァイオリン弾かないし音を聴くことのない身としては悩ましいところ。
直せるひとのもとにいったん預けることにします。
2024.6.1