文学歴史と猫と猫ビルを訪ねて~小石川編 | 野良にゃんしろめ~る

文学歴史と猫と猫ビルを訪ねて~小石川編

野良にゃんストーカー:しろめです。

いつまでも暑い年だと思っておりましたが、ようやく秋らしくなって参りました。

都内の木々もようやく色づきはじめたので、紅葉を眺めつつ散策をと先週土曜日出掛けました。

目的地は文京区本郷・小石川界隈。

樋口一葉はじめ、本郷界隈ゆかりの文士は沢山おり、また明治・大正の面影を残す建物も現存する土地。

かつてワタクシ、本郷の会社に6年間勤めていたのですが、文学散策をしたことがありませんでした。


丸の内線・後楽園駅で下車。

野球も競馬も興味がないワタシは東京ドームへ向かう人の群れを横目に「小石川後楽園」へ。

遊園地や球場の「後楽園」は水戸徳川家縁のこの公園の隣にあるから付けられた名。

さらにいえば、三大庭園のひとつ「後楽園」は岡山です。云うまでもないですよね。




後楽園裏門 小石川後楽園


今回は他に回りたいところが沢山あるため(決して入場料300円をケチったわけではない)、中には入らず外周を散策。

外周には遊歩道が設けられ、都心であることを忘れさせる静寂の中、ゆったりと歩けます。


遊歩道


「小石川後楽園」の敷地は約7万平方メートル。

よく、「東京ドーム何個分」という例え方をされる隣の球場は約4万平方メートル。




後楽園とドーム




生憎の曇天の為、写りは非常に悪いのですが…


こんな鬱蒼と木々が生い茂っております。

森のむこうに見えるのが東京ドームの屋根。

その左にあるのが142メートルの「文京シビックセンター」。

その箱モノ行政の悪しき見本のような巨大ビルの大半は文京区庁舎。ネーミングの趣味の悪さもいかにも行政、ですね。






春日局








後楽園駅方面に戻り、春日通りへ。

文京区春日の地名は、徳川家光の乳母・春日局に由来しています。





小石川標識


小石川にも縁の文人は沢山います。


「萩の舎」は樋口一葉も学んだ明治の名門私塾です。




街を歩くときのワタシの目線は先ず猫。

そして古い建物、看板。


小石川民家





植物にはあまり詳しくないワタシですが、

こんなのを見りゃぁ、写真も撮りたくなるってもんです。



ヘチマとミカンが一緒になってる??




寄り添うキツネ



何気なくふと入った稲荷神社。


ぴったり寄り添う、キツネさん。




何も知らずに入ったこのお稲荷さん、

ジツは1620年に開かれた「慈眼院澤蔵司稲荷」といい、なかなかに面白いところでした。










キツネの団体 社の団体


かなり広い敷地内は小山のようになっており、そこに大小中、沢山のお社があちこちに点在している。

こんなにまとまってある箇所も。


また「お稲荷さん」だというのに…


ナゼかGさん(爆)




ナゼに信楽焼の狸???


しかも、鼻、欠けてるし!





ナゼかシーサー

かと思えば…




ナゼにシーサー????







ナゼか招き猫

そしてついには…




招き猫までっ!!



いいんでしょうか、この節操のなさ!







小石川にゃん3






勿論、本物の猫もしっかりゲット!



某公園で見かけた野良にゃん。











小石川にゃん2 小石川にゃん1


ワタシの足元でにゃーにゃー鳴き続けていました。

ゴメン、今日はカリカリ持ってくるの忘れたんだ…

旧幸田露伴邸





この巨木のむこうに立つ邸宅は旧幸田露伴邸。


露伴の孫であり、幸田文の娘である青木玉氏の著書「小石川の家」、まさにそのものですね。

「幸田・青木」の表札が出ていました。


ちなみに野間宏が住んでいた家も見付けたのですが、あまりにも普通のお宅であった為、写真は撮れませんでした。











白ソックス 小石川にゃん
見知らぬ街でもしっかり反応にゃんこレーダー。

しかし、ワタシは今回、もっともっと大きな猫を探していたのです…


井上土蔵


この2棟の土蔵は明治時代の東京帝国大学学長・井上哲次郎の書庫。

大正8年造成で、関東大震災も東京大空襲も免れたという貴重な建造物。

戦災で邸宅は焼失しながら、書庫は無事だったのいうのは学者の執念でしょうか…

こういう戦前の建物はモロ、ワタシのツボど真ん中!



しかし、ワタシは今回、もっともっと大きな書庫を探していたのです…







もっともっと大きな猫の書庫



とある寺に入り、特に見るべきもののない、と山門を出ようとすると…


その門のむこうに…




山門から



遂ににゃんこ発見!!!



見づらいでしょうが、門の外左側、よーく見て下さい!






塀から





近づいてみます






塀から




もそっと近くへ





墓地から猫ビル




更に塀越しに見ると…





墓地から猫








墓地のむこうに猫の顔!!





猫ビル





これは今回の散策の最大の目的のひとつ、

通称「猫ビル」です。


このビル、評論家・立花隆氏の書庫兼書斎なのです。

地上3階・地下1階建てのこのビルには数万冊の蔵書があるといわれています。

もっとも建てて数年で本が入り切らなくなり、他にも書庫を借りているそうですが…



猫ビル



デザインは妹尾河童氏。

前々から見に行きたいとは思っていたのですが、なかなか機会がなく…


この建物の見取り図は立花氏の

「僕はこんな本を読んできた」(文藝春秋)に詳しく図解されています。
















猫ビルアップ 猫ビル



六角坂


立花氏は意外や猫派。

東大の学生だった頃、野良猫に餌をやり、下宿に招き入れたりしていたようです。

彼女も一緒に住んでいたのが、いつの間にか猫も彼女もいなくなっただったか、彼女は去って猫が残っただったか…

そんな話を書かれていたと思うのですが、出典を調べようにも本の山のなかから見つからない…




まずはひとつの目的猫ビルを発見したところまで。

後編(本郷編)はまた後日。