糖質制限は危険だとのご指摘。
糖質を摂ってもガンが大きくなることは「ない」と医学論文に書いてあるそうだが、「ある」と書いてある論文の存在はどうなるのだろう。
そのロジックはなんだか薄い感じがある。「ない」と書いてあるからないと判断するのか?判断の根拠はそこか?
まあ、糖質制限の威力はライザップとかで証明済。
とにかく痩せる。
痩せようとしなかったが私の体重は15㎏も落ちた。
だから、糖質制限=ダイエットになりかねない(大概そうなる)。
だが、当然がんの治療中に体重を落とすのは自殺行為。
つまり、ここでは糖質制限が危険なのではなく、体重の減少が危険ということ。
そんなことは、みんな身をもって知っている。
体重減少させちゃいけないよとの指摘は、まったくもってまっとうなことで。
ただ、それは体重減少に伴う体力の減退による危険性であり、糖質制限が体力を落とすというのは似て非なるものだ。
(落としかねないという警鐘はありがたく頂戴する。事実化学療法中は落とさずに糖質制限をするのは至難の技だ)
そして、糖質制限のもたらす効果(望ましいか、望ましくないかはともかく)については指摘されていない。
食事療法にエビデンスがないとはいうが、エビデンスがあるのは、フェーズⅣの大腸がんのしかも切除ができない腹膜播種への化学療法は2年程度で半分の人がなくなるという、絶対的に統計的にあきらかな事実。
エビデンスに従うだけでは、その通りになる。
確かな、確かなエビデンス様がそうおっしゃってるんですよ。
エビデンスに乏しい希望でもすがるしかないじゃないか。
糖質制限は糖質だけを制限するのが基本。
痩せて体力が落ちる糖質制限はカロリー制限で栄養失調。
私は先んじて自分の体で糖質制限を行った。一日20gまで糖質を絞り、カロリー制限の懸念にいち早く気が付き、家内の体重減少を最小限にとどめた。(初発のかなり厳しい化学療法において、かなりの善戦だとおもう)。
ヤシもMCTも蛋白分解物も、食物繊維も腸内細菌も、メガビタミンも、鉄も、いろいろと工夫した。
体力を落とさないで糖質制限を行う方法をいろいろと。
ダイエットのための糖質制限は確かにおっしゃられる通り、危険、命とりになりかねない。
がんの治療用の糖質制限はダイエットの糖質制限とはわけが違う。
目的が違うのだから、同じなわけがない。
糖以外のものが制限されていることへの対処は、まだ道半ば、食物繊維もビタミンも糖と一緒に摂られていた時よりも強化しないとならない。
もちろん、標準療法は続ける。
(ある程度は)効くというエビデンスはあるから。
そのうえで体力を失わせないような糖質制限を併用する。
大丈夫、体力を落とす糖質制限でなく、ガンを抑え込む糖質制限を行う。
… … …
あなたの神様と私の神様はどちらが尊い神様だろう。
どちらでもいいじゃないか、といえないから世に争いは尽きぬ。
どちらの治療法が効くかなんて、千差万別の癌においてひとくくりに言えることではないだろう。
だから、私は糖質制限を積極的に人に勧めることはしていない。
(すでにやっている人には、何かの足しにならないかとおせっかいを焼いたりはするが)
そして、私は明らかに自分の腑に落ちた考え方と相いれない、治療方針でも批判はしない。
まだまだ糖質制限未熟者だからというのはもちろんあるが、
おなじ癌と闘うものが一生懸命勉強して、迷って、熟考して、選択した治療法だ。
その人の自己責任と命を懸けた選択だから。
どんな方法でもできるだけ長く戦えるというならそれでいいじゃないか。
それもありじゃないかなと考える。なにかそこに解法のきっかけがないかと考える。
糖質制限が唯一無二の解法でないことは承知している。
これからも、修正して、いろいろなものを盛り込んでいく。
だから、その生きざまを見てほしい。
生き抜くことが、この方法が解法の一つだったかもしれないことを証明する事になる。
だから、見てほしい。
この方法で、彼女と共に歩くさまを。