田舎の駅の風景浮かんだよ | しろくまおやじのブログ

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さくら舞い散る駅のベンチで

君の手を握ったまま

都会(まち)へ向かう普通列車を

もう 2本見送った



“夢は捨てるものじゃなくて

叶えるものだよ”

君の言葉に背中を押され

故郷(ここ)を離れると決めたけど


いつもそばにあった 君の笑顔に

出逢えないことが

こんなに辛いことだなんて

気づかなかった


言葉少なくうつむく二人に

春の日差しは心地よいけど

心の中は鉛のように

重たい曇り空


“もう 散っちゃうね”君のつぶやき

打ち消すように

“緑輝く夏の桜が

 僕は好きだ”と笑った


さくら舞い散る小さな駅には

今は誰もいなくて

二人だけの時間が少し速く

風とともに流れていく



“都会の女性(こ)に負けないくらい綺麗にならなくちゃ”

笑いながら言う君

“君は君で いまのままで

 僕を迎えてほしい”


紅色に変わっていく空

少し冷たい風が君の髪を揺らす

君を温かく包める僕に

なって帰ってくる 必ず


“もう 汽車が来ないといいね”

君の絞り出した言葉を

かき消すように遠く小さく

汽笛が聞こえてきた


さくら舞い散る駅のホーム

汽車の扉が開く

離れた手 君のぬくもり

だんだんと薄れていく


扉が閉まり動き出す汽車

君の涙の笑顔と

薄紅色のさくらの花びら

そっと 重なった


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

花びらがなくなり、ピンクの額と

芽生えてきた黄緑の小さな葉っぱを

見ていると何となくこんな風景が・・・・・


駅は、もちろん無人駅。

列車は1両。

ホームに古い桜の木。

1時間に1本の列車。