あれっ、この話、以前に書いたかなぁ。
私が予備校に通っていたことのお話です。
通学に阪急電車を利用していました。
結構朝早くに家を出るので、朝ご飯を食べず、
坂を下る少年のように、駅までの道を毎日走っていました。
宝塚から、映画にもなった阪急今津線に乗り、
西宮北口へ。そこで神戸線の特急に乗ります。
西宮北口の次の停車駅は十三。
十三で降りて、駅の中の立ち食いそば屋で
朝ご飯を食べるのが日課でした。
その日も、西宮北口で満員の特急に乗り換え、
息苦しい車内でゆられていました。
もうすぐ十三に着くと言うときに、車内アナウンス。
“次は、梅田。次は、梅田。”
あれっ、次は十三でしょ。梅田終点はその次でしょ。
そう思っていると、電車は十三駅に着きます。
“梅田ーーー。梅田ーーーー。”
違うって、十三だって。
いつものように朝飯のそばを食べるために
降りようとしたのですが、なんとも次のアナウンスが気になりました。
十三で梅田だと行ってしまった車掌は、次を何て言うのだろう。
“失礼いたしました。次は梅田ーーー。”と素直に謝るのだろうか。
それとも何もなかったように“次は梅田ーーー。”
と言ってごまかすのだろうか。
こうなると、朝飯のことも、十三で普通に乗り換えて、
中津で降りなければならないこともそっちのけ。
気になって、気になって・・・・、そのまま特急に乗っているしかありません。
ドアが閉まり、電車はゆっくりと走り出しました。
そして、ついにアナウンスの時が来ました。
さぁて、車掌さんは何て言うんだろう。
耳を澄ましてその瞬間を待っていると、
車掌さん・・・・・・・・・。
“次も梅田ーーーー。次も梅田ーーーーー。”
まいりました。