陶片遊びⅣ | 呑める器ならなんでも

呑める器ならなんでも

呑める器とお酒と美味しいものが好きです。

 こんぱんは。寒い日が続いています。山口県でも先週、雪が降りました。
今週も寒そうです。

 今日は、久々に初期伊万里でいってみます。
イメージ 1
長径7.1㎝ 高4.5㎝
 鎬寿文杯です。この手がずっと欲しかったのですが、念願かなって、今回やっと
来ていただけました。








イメージ 2


 でも、安心してください。大傷モノです(笑)。陶片で入手して自作の直しをしました。
直しのクオリティーについてのコメントは受け付けませんので悪しからず(笑)。
しかし、念願のという事においては、本当なんです。
イメージ 3

 大きな欠損がひとつと、小さな欠けがひとつあります。
来ていただいてしばらくの間、この状態で呑んでいました。どのように直そうかなどと
考えながら呑むのも、なかなかいいものです。
方法は、ポリパテ・カシュー漆・金仕上と決まっていましたが、直しの上でのポイントがひとつ。
イメージ 4

 上のところのカーブの先を、どのように形成するかというものでした。
カーブ通りにライン取りをすると、内側にかなり入ってしまい、呑みにくくなってしまうという事なんです。
イメージ 5

 そこで、無理やり外方向へ曲げるラインを作りました。
ちょっと不自然さはありますが、ここは呑みやすさを優先させていただきました。イメージ 6

 こんな感じになりました。
イメージ 7

 この杯のチャームポイントは二つありまして、ひとつはゆるーい鎬です。
鎬というよりも波という感じです。
イメージ 8

 鎬というと右のようなキリッとしたものが好まれると思いますが、この杯の場合、
寿文がご覧のように、なんともホンワカした印象がある字体なので、鎬もゆるい
方が合ってるようです。
イメージ 9

 三文字全部微妙に違っているのが笑えます。職人さんが「こうだっけ?」となやみながらみたいな(笑)。
 しかし、この線が何ともいいのですよね。力みも緊張も感じられない線、なかなか
描けない線だと思います。三文字ともきれいに残っていることも嬉しい事でした。
とふたつ目のポイントはこれでした。
 
 初めに念願のという事を書きましたが、そのわけは、
イメージ 10

 これなんです。上から蘭文杯、鎬杯、鎬寿文杯、白磁杯となります。
初期伊万里の端反りで高台が土みせになっている杯、といえば、とりあえず
この四種が思い浮かぶかと、三つめの盃まではそれほど苦労はなかったのですが、それから結構時間がかかりました。イメージ 12


 この土みせというのがいいんです。何というか李朝の雰囲気が感じられるとでも言いますか、何故か惹かれるんです。
イメージ 11

 すみません。今日もなんか自己満足的なものになってしまいました。
それでは、このへんで。