三兄弟 | 呑める器ならなんでも

呑める器ならなんでも

呑める器とお酒と美味しいものが好きです。

 こんばんは。お盆の休日も最終日となりました。帰省でお疲れの方も多いのでは
ないでしょうか。事故のないように気を付けましょう。
 
 今日取り上げてみるのは、しばらく行方不明になっていて、先日出てきた初期伊万里の蘭文盃です。
イメージ 1
径7.1cmcm 高4.3cm
 少し大振りで酒杯にはちょうど良い大きさと容量です。発掘ものではありますが、大きなダメージがないところが嬉しい杯です。
この蘭文杯、初期伊万里の杯の中では一番ポピュラーなものではないでしょうか。ネットオークションでもよく出品されているのを見かけます。しかしこの手の杯はどれぐらい存在しているのでしょうか、もしできることなら戸籍調査をしてみたいものです(笑)。見当もつきませんが数千個、いや万というレベルなのでしょうか・・・・・・。
イメージ 2

 この杯は窯の辻窯産と聞きました。このタイプはあと二~三か所の窯で生産されていたとの事。
イメージ 3

 既出ではありますが、あとふたつあります。どれも発掘品で二十年以上前に求めたものです。
同じ初期伊万里の杯でも、鎬のものや寿の文字が入ったものは数が少なく、この蘭の絵のものがポピュラーでした。
イメージ 4

 これらの杯は1630年ころから1650年代にかけて製造されたものだそうです。その期間の中でも李朝的な雰囲気から、和の雰囲気へと変わっていているのも興味深いです
イメージ 5

 高台の造りもそれぞれ微妙に違っています。
しかし、この蘭の絵は杯以外では、あまり見た事がないと思いますがどうなんでしょうか、小さな振出のような徳利に描かれていたのを一例見た事があるだけです。
イメージ 6

 お盆というわけで、何年かぶりに三兄弟が揃いました(笑)。
何のために作られたものなのでしょうか、私には酒杯以外には考えられないです。
伝世の杯も存在するようですが、まとまって残っているというのは聞いたことがありません。
どのように使われていたのか大変興味があります。タイムマシンがあれば見に行ってみたいです(笑)。
イメージ 7

 昨夜は、久しぶりにこの三つの杯で呑みました。
やっぱり私にとって初期伊万里の杯といえば、この蘭の絵の杯となります。

 それでは、今日はこのへんで。