詰将棋は王手の連続をするという制約がある。
しかし、実戦では王手をしない寄せの手というのがよく出てくる。
「玉は包むように寄せよ」ともいうが、玉を寄せる手段は王手だけではない。
また、終盤における勝ちの決め方は、寄せだけでもない。
攻めを切らす、入玉する、などもある。
これらの要素を関連させながら、勝ちを得ることも多い。
たとえば、寄せを見せて、相手の攻撃を誘い、それを受けきる過程で
駒を補充し、それでもって相手玉を寄せきる、というようなのである。
そういう終盤の呼吸、あるいは読みは、詰将棋によって直接的に鍛えられるとは
いえないように思う。
なにが言いたいかというと、詰将棋が苦手な人でも、それをカバーする技術的要素は
いろいろある、という事。
例えていえば、森の中でライフルを持った二人が決闘するようなものである。
100メートル先の的を正確に撃てる人間は、50メートル先の的しか当てられない人間より、
有利なのは間違いない。
しかし、弾を当てるには、お互いのあいだに障害物がないことが条件である。
つまり、「詰みがあるときしか詰ませられない」のである。
したがって、詰む詰まないの前の段階で頑張ればいいのである。
その上で、自分の射撃の正確性を、50メートルから、55、60と、伸ばすよう
日々努力すればよいのだと思う。
