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山倉あゆみという人

あの冷たく冷えた、みずみずしさが唇に触れた時
思い出されるいつかの夏の思い出
なんだか懐かしく、あたたかく思えるのは、
1年のうち、スイカと過ごせる期間が
花火の様に一瞬だからかもしれません。
 
 
5月1日朝。
 
新潟の有名人、山倉あゆみさんから突然の連絡。
 
 
「あさみちゃん。私、世界中の食べ物の中で一番、好きなんだ。スイカが。
そして、死ぬ前に絶対最後に食べたいのも、スイカだよ。
スイカのギフトボックスを作ってほしい」
 
 
その時、スケジュールがパンパンで余裕のなかった私の心を、
一瞬で動かした山倉あゆみ。
アプローチの仕方が、とても素敵。
この人に喜んでもらえるものを作りたいと心から思った。
 
エンドユーザーが商品を使用される場面を想像してデザインをする。
それは当然のことなのだけれど、まずは
依頼者に気に入ってもらえないものは、確実にうまくいかないと思っている。
だから、依頼者の心をつかめなければ失敗だ。私の中では。 
 
以前も声をかけてもらったのに、タイミングが合わなかったあの時から、
ずっと ずっと後悔していた。
「あゆみちゃん、やる。」その瞬間から、スイカで頭がいっぱいになって、
連日寝ても覚めてもスイカの事ばかり考えていたので、
スイカの柄って・・・柄って黒だっけ緑だっけ・・・
とスイカがまさかのゲシュタルト崩壊。

 
 
5月の中旬
 
第一回、スイカイギ。
西蒲区の若手スイカ農家さん、小林竜典さんと、初対面
 
 
小林さん、素晴らしく目が澄んでいるという第一印象。
のちにスイカに貼るシールのモデルに。
 
 
 
第一回から、山倉あゆみに目が釘付け。
大きなプロジェクトをいくつも抱えていて、とても多忙なはずなのに、
彼女は全くそれを感じさせないゆったりとした時間をまとって、会議に入る。
 
好奇心旺盛。
私以上に好奇心旺盛だなと思う人に久しぶりに会った。
一聞、普通の人は聞き流すようなことも、身を乗り出してぐいぐい突っ込んでいく。
そんな山倉あゆみの姿に、私も身を乗り出す。
すごい。おもしろい、観察がとまらない(笑
そんな山倉あゆみから目が離せない会議。
 

 
第二回目、スイカイギ。
 




実際のスイカの生産現場を見学。
ここでも好奇心旺盛な山倉あゆみ。





落ちている間引きしたスイカを「これ食べれるかな・・・」とつぶやいたかと思うと、早速トラックの上で、カットして、食べ始めている。行動力。

「これ、絶対美味しい!すいません、持ち帰っていいですか!?」
目をキラキラしながら子供のように、無邪気に。
いつも、頭にアンテナをたくさん張って、食材とお友達になっている人。


 
 
第3回目スイカイギ。
 
コストとの戦い。
正直、パッケージというものは、いくらでもお金を掛けることができる。
化粧品のパケなんかがその良い例だと思う。
 
でも、主役はスイカ。そう、私はスイカ、スイカの気持ちになって
どんなパッケージに入りたいか考える。

どんな顔して、贈られた人の前に現れたいか、考える。
 

まずは形状から入ることにした。
持ちやすさ、作業性、ビジュアルの印象。それと、材質の相性。
試作を沢山作成する。
でも、山倉さんの「プロダクトとして面白い」という言葉で、
私の中ですべての方向性が決まるヒントになったように思う。
 
材質には、ダンボールの質感を感じさせないように、出来るだけ薄く、
出来るだけ強度を保つために、バージン素材に近いクラフト紙を使用。
そこに、対比的な、箔押しをもってくることにした。
ダンボールと箔押しという異質な組み合わせが、
シンプルだけれど、一つの差別化につながると思った。
 
形状が決まった。今までのスイカの箱にない、新しい形状と思う。
その中でも、業者さんと頭を抱えて何度も試作を作り微調整を重ねる。



 
次は、パッケージのストーリー。



 
1回目の打ち合わせから、ずっと消えなかったキーワード。花火。

今回のスイカの産地、西蒲区越前浜では毎年4月、
どこよりも早く地域の小さな打ち上げ花火大会がおこなわれるそう。

地域の子供たちや、お年寄りに向けた、あたたかなメッセージと共に
打ち上げられる、あたたかな花火。

消してみても、消えないものにはやはり強い力があると思う。
パッケージのストーリーも、この花火に重ねることに決めた。

弾けるほどのみずみずしさ、夏の一瞬の花火
食べた人のはじける笑顔。それぞれの景色。



スイカの種を見ながら、手書きでいびつでかわいらしい涙型をかいてみる。
それを弾けるような花火に見立てた。
周りの景色に合わせて、銀色の箔押しに映し出される色が七色に変わる。

花火玉のような大きさのスイカ。
それぞれのひと夏の思い出を、閉じ込めた花火玉。
それぞれの色を映し出し、花火のように打ち上げて欲しいと思った。



そして、スイカには前からやってみたかった、目をつけた。
畑でいつも、きっと空を見ているスイカ。
雨の日も、風の日も、西蒲区の広い空や、怖いくらい綺麗な夕暮れも。
そして、きっと花火も。


キラキラした眼差しのモデルは、生産者の小林さん。
小林さん、覚えているかな。はじめに送ったメッセージ。

スイカの目にはパッケージと同じ花火がうつりこんでいて、
スイカも、きっと花火を見ているね。

様々なヒント、デザインの方向性を導き出してくれる山倉さん。
素晴らしいディレクター・プロデューサーだと、今回心から思いました。
厳しい意見も想いを持って伝えることが出来る彼女は、
自分には常に、もっと厳しい言葉を何度も投げかけていると思う。

葛藤のある人は、とても魅力的で、さみしく、やさしく、
一人で戦う強さを持っている。
彼女もそう感じさせる一人。

同じ女性として、子供を持ち仕事をするものとして、
とても尊敬する。

そして、あたたかい微笑みで、チームをまとめてくれるいわむろやの小倉さん。
果てしなくさわやかな笑顔の小林さん。
へたくそな進め方ですみません。ハラハラさせてごめんなさい。



今回、一緒にお仕事をさせていただき、
本当に多くのことを学ばせていただき、
ありがとうございました。

あっという間の2ヶ月。
私にとっても、花火のような素敵な仕事でした。

一瞬のおもいで。一旬のおもいで。
このスイカを手にとった人に、沢山の笑顔がはじけますように。

















【浜のSUIKAのギフトボックスプロジェクトメンバー】
farmer:小林竜典(こばやし農園)
Designer:あだちあさみ(siroionaka design)
Coordinator:小倉壮平(いわむろや)
director:山倉 あゆみ(foodrop)


 

私とアンパンマン


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これは、私の宝物のひとつ。アンパンマンの作者、やなせたかしさんの書かれたものです。


やなせさんは、私の心の師匠でした。


昨日、やなせたかしさんが、94歳でお亡くなりになって

河合隼雄さんに続いて、私のもうひとりの心の師匠が亡くなられてしまいました。




「もし自信をなくして くじけそうになったら いいことだけ いいことだけ 思い出せ」


「大事なものわすれて べそかきになったら 好きな人と 好きな人と 手をつなげ」


「楽しいこといっぱい でもさびしくなったら 愛すること愛すること すてないで」





これは、やなせたかしさんの作詞された、アンパンマンたいそうの歌詞です。


私は今まで、この言葉にどれだけ支えられたか 分からないです。


もともと、とてもネガティブな私は、気持ちを上げていくのが苦手で、


そんなときは、やなせさんの言葉の杖をたくさん借りました。



高校の頃、一人でアンパンマン展に行き、


子供の頃から見ていたアンパンマンへのやなせさんへの想いを知ってから、

アンパンマンのことが、とても好きになりました。



 
それから、初版本を買ったり、絵本を集めたり、


アンパンマンが好きな私に、


みんなが色々なアンパンマンのプレゼントをくれたり、

私が事故にあったときは、小さく口ずさんで辛さを紛らわしたり


子供が生まれてからは、一緒に歌を歌ったり


仕事の前はやなせさんの本を読んで、勇気を出したり、


いつも支えてもらい、私は アンパンマンと一緒に大きくなった気がします。



一寸先は闇と言いますが、一寸先は光かもしれない


人生というのは思うようにはいきません


だからこそ面白くて、苦しさも、きっと楽しみのうち


それが生きているということを、思い出させてくれる、


やなせさんはこれからも私のそんな大切な人です。



私は、デザイナーという仕事をしていますが、


それはなぜかというと、


絵が好きだということ、 ものを作ることが好きだということと



そして、やっぱり誰かの役に立ちたいということ、


人の喜ぶ顔が見たいということが一番です。


それだけじゃ駄目なんだろうけど、やっぱりこれが一番で、


全部がうまくいくことなんて無いのだから、


一番大切なものを大切にしていれば、きっと迷わないと思います。


アンパンマンや、やなせさんのように、


元気や、幸せを与えられる、そんな仕事がしたいです。





一度は会いたかった方の一人でした。


それだけがとても残念です。


やなせさん、本当にありがとうございました。


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えきなか保育園さんのバスが納車されました♪

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今日えきなか保育園さんのバスが納車となりました。



新潟駅の中にある、えきなか保育園。

駅の中にあるという事でほかの保育園とは少し違った環境にありますが、園の中に一足入ると、そこは駅の中だということを忘れてしまうようなとてもあたたかく、温もりのある園でした。



床や、机などが桐素材で、とてもまるみがあり温かみのあるこだわりもあると思うのですが、

何よりも先生たちの雰囲気がとてもあたたかく、子供たちに本当に愛情を持って接されているのが分かりました。



打ち合わせの時に出してもらったおやつの豆乳ドーナツも、全部園で手作りされているそうで、優しくてほっこりする味でした。



駅の中にあるという現代的な保育園ということで、当初は電車を描
いて欲しいということでしたが、

「駅=みらいきっぷ」というテーマをご提案させてもらいました。


未来へ羽ば
たく子供たちの出発点として、えきなか保育園経由 未来行き「だ
れだってきらいきっぷをもってるね」というキャッチコピーを決め
ました。

保育園はわりと小さな時からお子様を預け、保護者は園で楽しく安
心して過ごして欲しいと願っています。
そんな信頼感と安心した保育環境であることを表すためにも、心に
残るイメージを全面手描きのイラストで構成しました。


新潟市の園
バスは黄色が多いのですが、他と差別化するためにもヨーロッパのバ
スを意識した車体と内装のカラーにしました。


駅の周辺にも緑の風
を運び、未来への子供たちの夢をのせて走って欲しいと思います(
*^_^*)


系列のほたる保育園をイメージさせるほたるのイラストも、バック部分にあるのですが、

ブレーキランプがつくと、ほたるのおしりが光るんです♪



信号待ちで、アッ!と気づいて楽しい気持ちになってくれたらいいなぁと思います



今回バスデザインをさせていただくにあたり、何度もご相談させていただきました学校法人高度情報専門学園様、えきなか保育園の先生方、何度も細かいところを確認しながらデザインを施工していただいた業者様、本当にどうもありがとうございました。



デザインというのは、自分ひとりでできるのでは決してなく、みんなの想いを形にするものだと、改めて感じました。



こどもたち、喜んでくれるといいな(*^一^*)







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