再読了させたのは、
まぎれもなく鏑木氏が語ってくれた言葉に揺り動かされた為です。
【莫言氏の語られた、川端康成の「雪国」に秋田犬が出てくる場面には、小説が本来持つ「自由」に目覚めさせられた。】
この意味を知りたくて、2週間前に読み返しました。
実に、四半世紀ぶりの事です。
何故、そのような感情が産まれたのかと、
掘り下げても、所詮人の感情論かもしれませんが、
莫言氏がそう感じた事を、流石と思う。
それよりも増して、莫言氏に衝撃を与えた川端康成氏はもっと凄かった。
小説を読んでいるとき、
鉄路、陸蒸気、薄暗い電灯、冬仕度、しんしんと降り積もる雪、
暗くて深い山々、晩秋を思わせる枯れても落ちない紅葉。
どれをとっても、冷たく寒い。
ましてや、主人公の島村と寄り添う様に振る舞ってくる駒子の再会は、
ほのぼのとするようで、実は結ばれる事の無い客と芸者の物語。
その駒子に縁のある許嫁である師匠の息子の蝕まれ、
当時としては治癒する事が難し腸結核の行く末。
読者を寒々とさせている事に気付かされた。
色で言うならば、薄暗い蒼、灰色に近いどんよりとした暗い青。
この洗脳された状況下で、
ゆらゆらと揺り動かす白い湯気が立ちこめる温かい温泉のたまり場で、
犬がピンクの温かい舌で温泉を舐める様子は、
今迄感じなかった、ぬくもりを感じてしまいました。
川端氏のシナリオ作りが、この時初めて知り得たのには、
高校時代の私が、初めて目にする時は知る余地もない。
自分の国語力の無さに落胆してしまった。
以上、読書感想文でした。
ああ、こんな表現が当時の私に有れば、国語好きになってたかもね。
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この沿線風景は、全て近畿日本鉄道の赤字路線を中心にしています。
雪国とは全く無関係です。
たまたま、電車通勤しながら読書する時間があったので、
綴ってみました。
向かって信号機の右に望む山は、奈良県と大阪府に跨がる金剛山です。



