強引な姉 3(終) | 白金家の座談会

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現在は「小説家になろう」で活動してますので、新作が読みたい人はお手数ですが向こうで私の名前を探してみてください。
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 手錠で二人結ばれたまま、サービスエリアの自動販売機へと向かう。正直言って冷や汗がだらだらと流れていた。他の人に見られるかもしれないのだ。
「将、どれがいい?」
「……がぶ飲みメロンで」
「分かったわ……ところで、どうやって開けるの?」
「こうやって……あれ、手が動かん」
 百合姉の左手が思うように動いてくれなくて、ペットボトルを持ったはいいが2人でボトルを握った形になった。このままではひねると百合姉の手首までひねりかねない。
「将、さっきからどうしたの?」
「い、いや、その」
 一つのボトルを2人分の手で持っていると、自然と2人は向き合うことになる。百合姉に真正面から見つめられてしまい、手錠という非現実感も相まって興奮してしまう。
「こういう時はね……」
 百合姉が俺の前に出たかと思うと、後ろから俺を強引に包み込んだ。左腕でがっちりと体を固定され、右手がペットボトルの蓋を握った。背中に百合姉の胸が押し付けられ、さらに後ろ半分の体全体が百合姉の身体を感じている。逃げられない。
「ほら」
「あ、ありがとう百合姉」
「いいのよ……早くしないと、誰かに見られるわよ?」
 その一言で目が覚め、がぶ飲みをこぼさないように車へ慌てて帰った。

 次の日、思い切り寝坊をするところだった。
 というのも愛理姉が起こしに来てくれたからである。愛理姉ありがとう。
「将君、昨日はどこに行ってたの?」
「……百合姉にドライブに連れ出されて、サービスエリアまで行って」
「百合姉に何かされなかった!? 大丈夫!?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
 正確に言えば大丈夫ではなかったんだが、愛理姉を心配させるわけにもいかない。愛理姉はこっちを見て、良かったと安心したような表情になった。
「……寂しかったんだからね。百合姉とどっか行っちゃったとき」
 愛理姉はベッドに座りながらそう言った。彼女の左手と俺の右手が繋がった。ベッドで寝たままの俺はまだ襲い掛かってくる眠気に打ち勝つべく愛理姉の手をぎゅーっと握る。
 すると、冷たい鉄の感触がカシャンという音とともにやってきた。俺と愛理姉はえっ? というような反応をする。目を開けると、そこには百合姉の姿があった。
「でーっきた」
「お姉ちゃん!?」
「百合姉?」
 百合姉は口の端でにっと笑うとそのまま部屋の外へ出て行ってしまった。俺の右手と愛理姉の左手が手錠でつながれていて、愛理姉が追いかけようとしても引っかかってしまう。
「将君、早く起きて!」
「わ、わかってる、痛いっ」
「ご、ごめん……ひゃあっ!」
 起き上がろうとした時愛理姉と一緒にバランスを崩し、結果的にもみくちゃになった。愛理姉の胸にむにゅっと顔が当たり、俺の右手が愛理姉の左手に包み込まれていた。胸の感触と指の感触があまりにも気持ちよくて、俺はそのまま目を閉じてしまう。眠いし。
「将君、起きてぇぇぇぇ!」
 そんな愛理姉の声が聞こえた。