もう令和も2日目。とはいえゴールデンウィークは雨だし、テレビではまだまだ改元関連の話ばかり。ただやっぱり平成を生きてきたものとして、改めて考えてみようと思うのです。平成という時代……ではなく上皇陛下ご夫妻のことを。






先に言っておくと、私自身は天皇制にあまり賛成できません。というのは天皇陛下がきらい、とかでは全くなく、憲法違反だと思っているからです。「全て国民は平等である」……確かに皇族の方々は「国民」ではありません。でも、平等と言いつつも平等でない方々がいる国、という事が納得いかないのです。




これは理性的な話だけではなく、感情としても同様です。あの!上皇陛下のような方が、自由には生きられないという事が、やはり自分の中では悲しく感じるのです。ただあまり、なのはやはり象徴天皇として、上皇陛下ご夫妻のされてきた事の素晴らしさを考えれば、反対!とばかりも言えず……




そう、この平成は波乱の時代でした。様々な天災が起き、悲しい事件もありました。テロも起きましたし、本当の意味では平成ではなかったかと思います。しかし、その悲しみや辛さを少しでも和らげてくれたのは、誰あろう上皇陛下です。




美智子上皇后がおられた事も本当に大きかったことでしょう。試練を乗りこえ、今の皇室を作り上げたと言っても過言ではないのですから。お二人のチカラで、またお人柄の賜物で、平成は単なる悲惨な時代にはなりませんでした。そのあまりに誠実な態度で誰とも接した両陛下のおかげで、暗闇に沈みきることはなかったのです。




私は本質的なら外交という意味でも、どの外務大臣よりも国交を深く結ぶ、ということについて優れた方だったと思っています。それは世界各国で起きていました。日本に対する各国国民の感情は、戦後かなり厳しいものだったことは意外と知られていません。特に米英仏蘭の4カ国は、まず宣戦布告をした国々でしたからね。捕虜もあったわけですし、それはもちろん敵対的になります。




しかしオランダ訪問時、陛下の示された誠意が人々の心を動かし、日本への感情を好転させ始めました(未だにいろいろあるようですが…)。中国もよく見てみればわかる通り、ご訪問以降、民衆デモであっても皇室には触れないようになってます。




これらは努力された結果には違いありませんが、何よりも元のお人柄が生み出したもの。人間とはやはり人としての優しさや労りなどがあってこそ、尊敬されるものだと国民に示してくれたと信じています。まさに象徴、目指さなければならない方ということですね。




それだって元からではありません。関わりあった方々が、戦前の教育から陛下を切り離し、そして新たな考え方で慈悲を持ってくださったから、です。それは同級生であったり、教師であったり、そして何より美智子様であったり。さらに忘れては行けないのは……ご本人がそうした声を聞く度量がおありだったという事です。




少なくとも……日本で、そして海外でこれだけの事をできる方は陛下ご夫妻しかおらず、今後もいないのではないかとまで思っています。象徴天皇として、最適任だった上皇陛下。そしてご夫妻。退位された今こそ、陛下の一挙手一投足を見て、自分の改善点を見つける時だと思います。




私が敬愛するのは、天皇だったから、では決してありません。あくまでも上皇陛下ご夫妻だったからこそ、です。権威はあとからついてくる、そんなお二人でしたよね?




私も今こそお二人の素晴らしいところを見習いつつ、零話の時代を過ごしていこうと思っています。それは素晴らしい事になる、そう信じて……