自分の趣味にどっぷり浸かった1冊のご紹介です!これ、最終巻もいいのですが、ここもまたいい味出してる巻なので選ばせてもらいました。それではご紹介!


佐藤大輔
皇国の守護者
墓穴の城塞




字が違う!というお話は、心に留めておくことにして…はい、まさに墓穴と言える城塞戦のお話です。一応ファンタジー小説ではあるので、剣牙虎や龍も出てきますが、そこは大サトー!それ以外はリアリティの塊です。大体後装式旋条銃(幕末と同様くらいですかね)の科学技術の世界です。それでは内容に…




あらすじは…
帝国による皇国侵攻作戦〈アレクサンドロス〉によって、数多くの皇国軍は敗走。それを追って皇都へ迫る帝国軍だが、途中手痛い逆襲を受ける。その軍は未完成の城塞〈六芒郭〉に入城、これを包囲するのだが…実はこの新城直衛率いる新城支隊は、彼の直卒部隊以外は敗残兵の寄せ集めだった。それでも味方からも奪った大量の火砲を使い、要塞を守る。新城直衛vs帝国総司令、戦姫ユーリアの闘いが火蓋をきる!




結局貧乏くじを引かされた新城が、天才ユーリアとの頭脳戦に入る…というより、ひたすら火力にものを言わせて守り続ける、というお話です。ただ戦っているだけではなく、後ろでは政治が動き続け、また帝国側も一枚岩とは程遠い…まさにリアルです。




そもそも戦場が思い通りに動く訳もなく、またそれをしているのは個々に生きている人間だと、教えてくれるシリーズでしょう。まあ佐藤大輔は生前軍事評論家として、どこかの大学でも講義を行ってますからね、その辺は素人ではありません。ともかく彼ほど醒めた目で戦争とは何か、また戦前も戦後etc……も含めて、リアリスティックでありつつ、ロマンティシズムを忘れない、そんな作家を私は知りません。





皇国の守護者は外伝も含め、Kindleで販売されていますので、宜しければ是非とも!