学会を調査するとは何事か!
いろいろの細かいことは、各幹部からお聞きと思います。
半年以上前から、おもしろいことを聞いている。それは、公安庁から出たのか、警視庁がやったのかわからんけれども、マル秘というひとつの方法で、学会の動きをぜんぶ報告せよという指令が、出ているのだそうです。
いったい、われわれは、なにを悪いことしたことがあるのか。君ら、悪いことをしているのか。私もしない。
いったい警視庁であるか、公安庁であるか知らんけれども、学会の動きをマル秘で、全国の警察へそれを出して、そうして、その報告を寄こせということは、いったい、なんのためか。われわれは、なにも悪いことはしておらんです。民衆救済のため、東洋救済のために、われわれは活動しているのではないか。ここまでくれば、政府が間違っている。私は、そう思うけれども、君らがそう思わなければ、また、別の話だ。
こうなれば、学会にも、悪い人間がはいってきて、そうして、悪いことをする人間もいるのではないかと、今度は、私のほうが、心配になってきてしまった。だから、あなた方幹部は、悪い人間は、学会へ入れんようにしてください。
今、理事長から、折伏の話もあったけれども、りっぱな信者をつくってください。信心が大もとです。マル秘でー、マル秘というのは、秘密にせよという意味らしい。警察へ学会のことを報告するなんて、どこから出たのか知らないけれども。どの野郎が出すのか、それはわからんけれども、そんなわれわれ悪いことをしていません。共産党ではあるまいし、日本民族の救済のため、東洋民族の救済のために、われわれは立っているのではないか。そんなことを疑われてたまるものか。そういう話を聞いた。ウソだと思ったら、警察へ行って聞いてきなさい。それと同じに、われわれは、悪いことはしないのですから、あなた方も、悪い人間を仲間に入れんようにして、折伏するにも、学会を利用するような人間は、絶対入れんようにして、そうして、自分たちの信心を固めて、永遠の生命の幸福を願わなければならん。
そんなことを、だれがやったか知らんけれども、どうせろくな死にかたはしないと私は思うけれども、われわれは、国家救済のために立っているのです。民族救済のために立っているのです。マル秘で学会のことを報告せよなどと、命令されるおぼえはない。だれがやったのかそれは私は知らん。知らんけれども、聞いてから腹が立ってきたのだ。これから、だんだんと腹立たせると、向こうが困るに違いないと思うけれども、腹はこの程度で押えておこうと思うているのです。君らはどうですか。まったくバカにしている。なにも悪いことなんかしていないのです。折伏しているだけではないか。
世間では『仏壇こわした』とか『神棚こわした』とか言っているが、そんなことを、私は命令したことは、いっぺんもない。勝手にこわしたのは、私はそれは知りません。『仏壇なんかこわすのは、もったいないからやめなさい』と言っている。私はそれもこわせとは命令していません。なかにある神札だけとりなさいと、こう言うのです。
そうして、これからお祭りになったら、そのなかへ御本尊様を祭って、にぎやかなお祭りしようではないかと、私は言ってるのに、その心がわからないで、いったい、なんだというのです。私も、そろそろ腹を立ててきた。あなた方までいっしょに、腹立ててはいけない。『先生、おなかをなぜて腹を立てないように立てないように』と、自分でなぜるだけではなくあなた方もなぜてください。
そういう問題で、ひじょうに険悪な空気です。それに驚いて、折伏やめるというわけには絶対いかん。世界の民衆を救うのは、南無妙法蓮華経以外にないのです。日本の経済なんか今、メチャクチャだから、これを、どうして助けるのだ。そんな細かい話は別にして、われわれは、ただ信心を中心にして、自らの生活を守っていこうではないかと、思うのだが、どうか。
きょうの講演は、短いようであるけれども、日本政府にたいして、私の一つの抗議です。恐ろしがらないように。こわい者は、あすから、信仰やめて帰りなさい。いったい、なにが、学会が悪いことをしている。りっぱなことやっているのに。マル秘で調査するなどということは、絶対けしからん!。それにたいして、私は、ここで抗議を申し述ベる。それがこわかったら、あすから、みんな信心やめなさい。あなた方がやめてもいっこうに私は困りません。この精神があればこそ、東洋民族を救えるのです。この精神がなかったら、東洋民族は救えない。
だから、マル秘で、どうやろうと、どうこうしようと、それはいいけれども、きょうは、公安庁にたいする私の抗議です。私のきょうの講演は『ふざけるな!こっちはなにも悪いことをしてはいない』君らもその精神があってこそ、私の弟子です。いずれにしても、あまり長く話すと、また、なんとか文句言う人もいるから、この程度でおさめるけれども、頼むぞ!しっかりやりなさい。
昭和32年10月31日
本部幹部会
豊島公会堂