東洋制覇をめざせ

 

 もう、そろそろ、あきたころだと思うから、講演なんてめんどうなことはやめて、少々漫談をやって終わろうと思う。

 さきほどから聞いていると『九州制覇、九州制覇はわれらの手で』と言うているが、あまりそんなことは言わんほうがよかろうと思う。私は北海道で育ちましたが、北海男児なんて聞いたことがない。関東男児とか大阪男児とか、中国男児なんて聞いたことがない。

 九州だけは九州男児という。そうだろう。その九州男児が、九州制覇はわれらの手で、などといっているが、これはどういうわけですか。せめて東洋制覇はわれらの手でというならまだしもだが、どうも、このごろの九州男児は、気が小さくなってきたようだが、どうか。あんまり恥ずかしいことを言わないほうがいいと思うが、どうだろう。恥ずかしいだろう、そう言われたら。

 

 今、大阪では関西本部もできて、今度は自民党と社会党と共産党とを向こうに回して、三つどもえの大闘争、負けるか勝つか、それはわからん。勝つか負けるかわからんけれども、ここまでの戦いができた以上には、今度は九州が大事になってきたのです。年内に九州大本部をつくって、月に一回は九州へきて、講義をするつもりでいる。安い土地で、いい建物があったら世話してください。ほんとうです。

 そして九州へ毎月きます。もう大阪へは一回しか行かない。ここへは一回くる。これで、私の講演は終わる。

 

昭和32年4月21日

九州第一回総会

福岡市スポーツセンター