おおいに商売で成功せよ
政治、文化の中心が東京であると同様に、日本経済の中心は大阪である。ですから、大阪の人は、東京の人よりも利にさといはずである。この大御本尊様を信ずるにあたっても、よくわかるだろうと私は思うのです。
初代の会長は、ひじょうにやかましい人で、価値論の大家でありましたから、むだなことをするということは、自分に関係がなくても、なんでもしかられたものです。むだなことをしてはいかん、無価値なことはやってはいかん、反価値なことはやってはいかん。善であり、利であり、美である価値内容を獲得しなければならんということを、しょっちゅう、やかましく言われていました。
これは、教えないでも、大阪の人はよくわかっていると思う。なぜ私はむだなことに使うかといえば、よく考えてごらんなさい。朝五座のお勤めは三十分、夜の三座は二十分かかる。ロウソクがいる。お線香がいる。しきみがいる。また、座談会にも行かなければならない。折伏、それは、なんのためにやるかということが問題である。それで、あなた方がもうからなかったら、むだなことになりはしませんか、どうですか。
だから、よく利益のない信仰はしないほうがよいという。
私が朝五座、夜三座、折伏をしなさいということは、私に確信があるから言うのです。絶対にあなた方が幸福になるという確信がある。日蓮大聖人様が、おっしゃっているのです。
仏になる原因と、仏になった功徳-結果は、皆、御本尊様のなかに、ぜんぶある。だから、この御本尊様をたもち、南無妙法蓮華経と唱え、そして折伏するならば、その人は、そくざに仏の位を得たということになるのです。
ところで、そうなれば、仏さまで、貧乏した仏さまは聞いたことがない。肺病で弱っている仏さまは聞いたことがない。借金取りに追いまわされている仏さまは見たことがない。
このような経文はどこにもない。必ず拝めばしあわせになる。だからこの御本尊様を信仰して、功徳がなければ、仏さまがウソつきなのです。そんなウソつきの仏さまは断じてゆるしておくわけにはいかん。仏はウソをついてはいかんということになっている。われわれはウソをついてもいいがね。ところが、仏さまはウソつきだと、そんなことを言って大聖人様に談判に行ったら、こっぴどい目にあうにきまっている。『おまえが真剣にやらないから功徳が出ない。いくらでも御本尊様のなかに何千万の金も入れてある。またいかなる病気もなおる薬も置いてあるのに、取りにこない。自由にとって服用すべし。差えじと憂うることなかれ。心配するな』とおっしゃっている。
だから、この点を私は堅く信じている。私はそのほうの体験者です。あなた方も御利益があったという。しかし、その御利益もこのコップいっぱいの水の御利益とすれば、不肖、私が大御本尊様からいただいた御利益は、この公会堂いっぱいで、まだ足りないと、私は言いきる。私が体験して知っている。
私は、創価学会の会長でありますけれども、よく私のことを『仏さまだ』『生き仏さまだ』『神さまだ』『教主さまだ』とか言うが、いつ私がそんな片輪になったというのです。そんな仏さま、神さまなんか、みな片輪者である。御本仏だけが仏さまである。今、生きている人で、大聖人様をのぞいて、人間で食事をとっている者は凡夫である。私はりっぱな凡夫なのです。お金もほしい、うまい物もほしい、酒も飲みたい。いっこうさしつかえないことではないですか。歩くより自動車に乗ったほうがいい。うすいフトンより厚いフトンのほうがいい。それは、りっぱな凡夫でしょう。
だから、あなた方もしあわせになるために信心しているのですから、しっかり信心して功徳を受けることが第一義なのです。折伏するのは第二義です。『班長になって、組長になって、忙しくてしようがない』などというものがいるが、それならば、やめればいいではないか。やめればよい。
なにも義理立てて班長になって、今月は何世帯やるなどという必要はない。ほんとうに功徳が出てくれば、折伏したくてたまらなくなる。折伏すると、元気がいっぱい出てくる。指導なんて、かんたんなんだから、忙しい時は紙に書いて渡せばよい。
商売人は、ずるい者が多いが、ずるいとりっぱな商売人にはなれない。だから、信心をきちんとやっているか、折伏やっているか、おまえ、ずるくないか。
これだけおぼえたら、指導なんてかんたんだろう。これで貧乏するわけがない。日本じゅうに、五千三百億のお金が余っている。こっちに福運が湧いてくれば、千円札のはいる穴があれば、はいってくる。
朝は三十分でよい。夜は二十分でよい。原料はロウソクと線香としきみだけでよい。私が大阪に月に二度くると決意した理由は、大阪は信心が浅い。指導が足りない。それで、大阪の人たちを金持ちにしてやろうと思ってきている。
ですから、がっちり信仰して、みなお金をもうけてください。もうけても、私にくれとは言わない。だから、ぼちぼちと言わないで、どんどんやりなさい。東京の人間が聞いたら、ケチンボウに聞こえる。東京の人が聞いたら『ええ、たまっています』と、そういうふうになってもらいたいから、きたのです。だから、しっかりと信心をして、金持ちになってくれたまえ。
昭和31年2月19日
大阪・堺支部決起大会
大阪中之島中央公会堂