学会員に負担かけるな

 

 きょう、ここに集まった人たちは学会の幹部であり、自分自身が幸福になると同時に、自分の指導している人たちが、幸福にならなければいけないと考えている人ばかりだと思います。自分が幸福になるぐらいは、なんでもない。かんたんなことです。

 

 他人まで幸福にしていこうというのが信心の根底です。そのように、まっすぐに御本尊様を拝んで信心を強くし、信仰のためには、何もいらないという気がなければ、ほんとうの指導はできないと思う。

 

 私が、ちかごろ、おかしいと思うのは、地区費が足りないから、なんとかしなければならないという幹部がいることである。

 

 もし、こういう地区部長がいたら、信用しないほうがよいと思う。班の費用が足りないからなんとかしてくれという班長がもしいたら、そのまま私のところへ報告してください。そういう人は班長の資格がないと思います。

 

 なぜならば、それが初代会長の精神なのです。そのころ、私たちは、会員から、いっさい、経費を集めないつもりでやっていた。広宣流布のため、御本尊様のために、自分の金を使うのはあたりまえだと思ってやっていたのです。

 当時の理事長としての私の覚悟は、会員には、いっさい心配をかけない。金はぜんぶ自分がつくるという気持ちのなかに楽しさを感じていた。

 

信心とは金に通ずるものではない。地区費や班費が足りないといっている声を聞くと、まるで学会のなかに、会社や政党ができたようで、いやな気持ちがする。

 

 もしそういう幹部がいたら、すぐやめなさい。班長になったら、ぜんぶ自分の金でやりなさい。それで、もし功徳が出なかったら、私のところへきなさい。地区のため、班のために使った金は、ぜんぶ人を救うことになったのです。

 

 自分でできなかったら、人を救って余りある人を班長に推薦して、自分はその下になってその人の指導を受ければよい。

 

 学会の精神は、自分の働いた金をそのまま人を救うために使っていくことなのです。

 

 断じて、この日本の国を、人々を、自分を救っていくのですから、真心こめて仏道修行に立ち、人を救って行く精神に立って働いてもらいたい。それがあなた方の幸福になる道であり、生きていく道なのです。

 

昭和30年10月31日

本部幹部会

豊島公会堂