仏天の加護を信じて

 

 人間は平等でありたい。しかし、現在の社会をみると、どうしてこのように差別が多い世界になっているのであろうか。この千差万別の人生を、いかなる科学でも絶対に究明しえないが、唯一つこれを解決する鍵として仏教がある。

 

 この仏教により永遠の生命の究明による以外に解決の道がない。地球は回っている。知らないといっても事実だ。前世なんかあるものかといってみても事実は事実だ。前世があればこそ来世がある。これは仏法の根本定義であります。

 

 今の貧乏人は前世の泥棒かもしれん。さあこの果をどうするか。そこでこの世で善根を積み、来世の幸福をつくろうという教えが釈迦仏法である。

 日蓮大聖人様は、末法で人を救うにはそれでは救えぬ。これを信じよ!とおおせられて、弘安二年十月十二日にお顕わしになったのが大御本尊様である。

 

 われわれは、ただ、この大御本尊様をひたすら信じ奉ること以外に、しあわせになる方法はない。このことは『観心の本尊抄』にきちんとある。御本尊様を受持した暁には果徳が厳然と現われる。宿命の転換、貧乏、病人、家庭の悩み等、いっさい人生の苦を解決することは絶対に疑いない事実である。

 

 幸福には絶対的幸福と相対的幸福の二つがある。絶対的幸福をうることが人生の楽しみであり、人間革命である。すがすがしい信心こそ断じて幸福になれる秘訣である。信じきって折伏しなさい。

 

 ある、ふたりの客が激論して言うに『原爆時代に、どうすれば、社会、国家は平和になるか、政治か、外交か。結論は仏天の加護しかない』という結論が出たという話を聞いた。

 

 われわれは、人間革命、宗教革命によってこそ、ほんとうの幸福をつかみ、平和な社会を建設することができるのである。あすからは、ひとりひとりが必ず折伏して、一日も早く、この絶対的幸福をつかんでいただきたい。

 

昭和30年8月20日

小岩支部旭川地区総会

旭川市外神楽中学校講堂