奉安殿の建設

 

 このたびの奉安殿建設にたいしまして、皆さまの甚深なる御志をうけたまわり厚く御礼申し上げます。

 このまえの講義の時にも申し上げましたが、ある乞食の女がありまして、金の銭を一枚拾いました。ところが、仏さまの顔に塗ってある金箔がはげていました。そこで、その金を仏さまの顔に塗ったのです。その功徳により、女の乞食は生々代々、金色の身で生まれ、その時、塗った仏さまは、迦葉菩薩として生まれ、その女は、迦葉菩薩の奥さんとして生まれました。

 小乗経の経論に、迦葉菩薩は頭陀第一であり、その奥さんの信仰はインド第一だったと書かれてあります。また、商那和修(しょうなわしゅう)は仏に衣を奉ったことにより、生々代々、衣に恵まれていたということです。

 

 このたびの奉安殿建設には、金銭の大小を問わず、大御本尊様広宣流布までのお住まいを御供養しましたことは、日蓮大聖人様のお目にとまり、生々代々、住む家に困らないと確信いたします。私が感謝するとともに、皆さまも喜んでいただきたい。

 

 三十万世帯の広宣流布へのわれわれの大行進は、一里塚のごとく、区切りをつけてまいります。われわれの行動は、日蓮大聖人様は、よく知ろしめて、必ずや功徳があるものと確信します。もし、ないとすれば、御本尊様はインチキとなり、それをひろめる戸田城聖は悪人となる。断じて、私は、そんなことがないと信ずる。

 

 どうか、今後の信心もたゆむことなく、大きな功徳を受けられて、この人生を衆生所遊楽の気持ちで歩んでいってもらいたい。

 

昭和30年5月31日

本部幹部会

豊島公会堂