民衆救済の宣言
国家社会が志すところのものは、どうしたならば民衆の幸福が得られようかという問題であります。政治にもせよ、教育にもせよ、経済にもせよ、あらゆる科学の研究にしても、どうしたならば、日本人がしあわせになっていけるか、こういう問題にかかっております。
国会で討議される諸問題も、ことごとく、国民が幸福になるには、どうしたらよいかという問題であります。
しかるに、あらゆる方途を尽くし、あらゆる研究を重ねていながら、いまだ日本の国の人人は、真の幸福、住みよい世界のなかにおられるのであります。
ここにおいて私は宣言する。これは迂遠のように考えられ、遠い先のようにも考えられているが、宗教を根底としなければ、真の幸福はないということであります。その宗教のなかでも、日蓮正宗でなければ絶対に日本の幸福はない、日蓮正宗でなければ日本の国に幸福というものをもたらすことはできないのだという提案を、日本全国に向かって宣言するものであります。
この全日本民衆救済の方程式を称して、広宣流布というものであります。
この広宣流布の途上には、幾多の敵を迎えなければならない。
いかんとなれば、日蓮正宗のみが、この日本の民衆を救済するのであって、キリスト教も撲滅しなければならない、念仏宗も撲滅しなければならない、立正佼成会も、霊友会も、ことごとく撲滅しなければならないのです。
かかる宣言を聞いて喜ぶのは諸君でありましょうけれども、邪宗の連中はふるえあがるのであります。
これらを敵として戦うには、われわれには堅い信念がなければならない。彼らはいかなる手をもって迫害するか。今ですら、われわれを共産党であるとか、暴力宗教であるとかいって、なんらわれわれに痕跡もないのに、汚名を着せて喜んでいるのが新聞や雑誌であります。
私にとっては、蚊の鳴くほどにしか感じませんけれども、皆さんはこれによって動揺されるようなことなく、堅い信念をもって、日本を救う方程式は、日蓮正宗の広宣流布以外にはないという、この私の宣言を信じて、しっかりと生活してもらいたいと思います。
昭和30年5月3日
創価学会第十二回総会
両国日本大学講堂