不退の信心をもて

 

『日本国に此れをしれる者は但日蓮一人なり』(開目抄)というおことばがあります。いったい、日蓮大聖人様ただおひとりお知りになったことはなにか……これは、御書全集の二百ぺージのなかにある一句でありますが、このことばにあいましたときに、わたくしは考えた。

『ハテ……なにを大聖人様おひとりがご承知なのだろうか』と。

 

 ところが、ことばは短いけれども、これが胸のうちにジンときたときには、恐ろしくなってくる。それは、あらゆる邪宗邪義が、人生を不幸にし、人々の幸福を奪っているのだということなのです。

 しこうして、日蓮大聖人様の仏法以外のものはぜんぶ邪宗邪義です。しかも大聖人様の仏法が、正しく、強く七百年間守られてきたのは、富士大石寺、日蓮正宗なのであります。

 

 かく感じてくるならば、広宣流布への途上は、あらゆる宗派を敵にしなければならない。われわれには妥協がないのです。ほかの日蓮宗と妥協したらよかろう、日蓮宗ならいいではないかという。だめです! 民衆を不幸にする他の宗教団体は、だんぜん敵にするしかないではないか。

 

 今後、広宣流布までは、いろいろの難も起こるでありましょうが、絶対無二なる大御本尊様を、みなさまは信じて、絶対に退転してはなりません!

 そうして、幸福な人生を必ずつかみ、幸福に暮らしなさい。これがわたくしの願いであり、警告です。

 

昭和29年11月3日

創価学会第十一回総会

両国国技館