会長と不離の間がらに

 

 ここにおられる地区部長諸君は、学会のだいじな方たちであり、心やすく話し合いたいと思う。

 現在の支部長、諸君とは、生死ともにの間がらであるが、地区部長になると、まだ接触がうすい。やがては支部長級になる方たちである。学会の組織はきびしい、これができない地区部長は切る。班長をいかすのが、地区部長の役目である。どうか十分な闘争をし、会長と不離の間がらになってもらいたい。

 

昭和28年6月10日

地区部長会

神田旧学会本部

 

 

 

頭破七分と福十号

 

 信心をする目的は、みんながほんとうに幸福になるためです。われわれの生活は、悩みの生活です。貧乏なものは金持ちになり、病気の人は病気がなおる。一家団らんして、この世を幸福に暮らすことです。そしてまた、未来永劫に幸福になるために、信仰するのです。

 

 東京で、ほんとうに幸福だという人に会ったことがない。ほんとうに心から幸福だと確信している人が、はたしてなん人いるだろうか。信心するのは、みんながしあわせという道に流れていることです。

 

 大阪も、白木君がご恩報じにたち上がられ、このような総会ができたことは、ひじょうに喜ばしいことです。

 わたくしは、大石寺のために喜ぶのではありません。大阪支部員のために喜んでいるのです。仏教界に問題の起こることも、遠いことではありません。これは、みんなが幸福になる実情であります。

 

 入信して、三か月や半年ではだめです。三年もすれば、すごい御利益を感ずるようになります。大阪も、きょうのような会が、二回、三回と重なったときに、ほんとうの御利益を感得します。

 

 御利益とか罰というのはまずい、という説のあったこともありますが、しかし、これは会長がいうのでもなければ、学会がいうのでもありません。

 きょう家に帰って、御本尊様を拝めばわかります。右の御肩に『若し悩乱すれば頭が七つに破れる』左の御肩には『供養する者あれば福十号に過ぐ』と、日蓮大聖人様はお書きになっておられますように、謗法したり、信ぜぬときには罰が出るのである。

 

 ほんとうに信じて供養すれば、御利益をいただくのであります。いまは御利益をうけた人も、まだうけておらない人もあるが、ほんとうに信じておれば、三年後には、現在の何千倍の境涯になっております。

 

 その結果は、貧乏人だったものも、金ができてにこにこしている。大阪の信者は、ほとんどが金に困っている。

 ほんとうに御利益が欲しければ、ほんとうの信心をすることです。そのためには、折伏しなければなりません。

 

 夜眠る時間を、仏に供養なさい。身をもって折伏を行ずる。これがすなわち御本尊様にお仕えし、お礼を申しあげることになるのです。しかし、商売をほったらかして折伏しては、謗法になります。

 

 ある人が、自分の商売をほっといて、座談会に出ていると聞いて、わたくしは、ひじょうにつらい思いをした。

 商売も法華経です。商売するための信仰か、信仰するために商売するのか。生活を良くするための信仰ではありませんか。この点を、はき違えぬようにしていただきたい。

 

 ほんとうに功徳を受けたら、お山やお寺へ供養したくなります。これによって、さらにまた功徳を得られるのです。真心をこめれば、たとえ、それが十円二十円でも、心はぜったいにかよいます。

 だからといって、きょう二百円したから、あすはこの金が二千円になってもどってくるだろう、こんな心ではいけない。ほんとうの供養の気持ちではありません。

 

 いろいろ話したいことが山ほどあるが、きょうは罰と利益、御本尊様の右と左の御肩に書かれてあることについて、お話ししておきました。

 会長は、みなさんが、幸福になって欲しいのです。三年後を楽しみにしております。しっかり信心してください。

 

昭和28年6月14日

大阪支部第一回総会

夕陽丘会館