日本の国から不幸をなくせ

 

 これから話すことは、少しむずかしいかもしれないが、哲学的な問題にふれることとする。

 体験発表で、病気がなおった例は多いが、貧乏から金持ちになった話しは少ない。この、病苦と貧乏の苦悩は、重大問題である。

 

 人間の病気には六つあるが、このうち、医者でなおるものが三つ、なおらぬものが三つ。宗教は医者の力でなおすことのできぬ病いを、根本からなおす力のあるものである。

 

 自分の知識でわりきれぬものを、わりきることのできるものを信心という。人間とは、なんでもわりきりたいものである。いまは宗教と科学との世界の闘争である。宗教は心を中心とした学問であり、科学は物を中心とした学問である。

 

 生命の問題、生活の問題は、科学ではどうすることもできない。東洋哲学は、三千年前からでき上がっている。

 

 病苦に悩まされているものが、なおりたいためには、御本尊様という機械をつかまなければならぬ。どのような精密な機械でも、使用しなければ役立たない。これは、生命哲学上のことであり、科学の分野とは少しく違う。

 

 動力は信心、折伏である。いかなる病気も、この信心によってなおすことができるのである。日本の国から不幸をなくしたいがために、折伏をするのである。

 

 心に悩みのあるものも、ここに多く集まっているであろう。きちっと信じ、念じなさい。一年間の約束をします。断じて月一名の折伏をし、朝夕の五座三座の勤行を欠かさず、必ずすばらしい功徳をうけるように。

 

昭和28年2月15日

志木支部第一回総会

川越会館