昭和二十八年
わが愛する幹部諸賢に望む
なにごとを興行するにも、組織が必要である。会社事業にしても、単なる芝居興行にしても、みな組織を有しているのは事実である。そして、組織には上下の連絡や縦横の関係が整然としており、それが、たとえ疎密の別ありといえども、上下縦横の区分のなかに、必ず中心人物が配せられるのは、いうまでもない。
創価学会も、一大折伏行を展開し、ここに民衆救済の先端をきっているのであるから、組織立てられねばならぬのは、とうぜんのことである。
その組織の中心人物は、地区部長、大班長、班長、組長の諸氏である。諸君は、日蓮大聖人様の弟子として、子として、家来として、み仏のむねを奉じ、世界平和のため、かつはまた、苦悩の衆生救済のため、先頭をきっていることを自覚しなければならぬ。
されば諸氏、身には功徳の雨をこうむり、手には折伏の利剣を握って、獅子王の勇みをなしていることと堅く信ずるが、これは、ただ予が信ずるのみにあらず、み仏も照覧しあそばすことなれば、予の期待にそむくことなく、本年一年も、このはえある道を進んでいただきたいと思う。
ことに、地区部長諸君は、わが学会の大幹部であって、学会の目的遂行は、一に諸君にかかっているがゆえに、予が諸君らを力とたのむこと、あたかも学会創立当時に、支部長をたのんだと同様である。
現支部長は、予の期待にそむくことなく、ことごとく大支部長の貫録を具現したものである。願わくば、これと同じく、諸君らも大地区部長として、学会に重きをなす日の、一日も早きことを望んでやまない。
ゆえに、おのが地区の会員を、子のごとく愛し、慈悲をもって指導し、各々に功徳を体験させるようにするとともに、支部長を兄のごとく助け、配下の班長組長を、弟妹のごとくだきかかえていかなくてはならぬ。
班長組長諸君は、未来の学会大幹部として、自負を持って、学会の興廃、双肩にありと、先陣をきってもらわなくてはならない。
願わくば、予が各幹部諸氏、予が真意を解し、ことしも、御本尊様に至誠のご奉公あらんことを。
もって年頭の辞とする。
昭和28年1月1日
年頭のあいさつ
聖教新聞紙上
幹部は学会の大黒柱
昨年中は、まことにご苦労さまでした。ことしも、またよろしく奮闘を願います。
諸君は、学会の大黒柱として、じつに重要な任に当たっている人々ばかりであります。戸田は、御本尊様に命をささげて、このからだを、すでになげ出しております。
ことしは、地方も大大的に開拓していかなければならないし、やりはじめた仕事もたくさんあり、思えばたいへんであるが、どうか御本尊様のために、しっかりと働いていただきたい。
昭和28年1月1日
初勤行
神田旧学会本部