支部旗初の授与にあたって

 

 ただいま、各支部の旗、男子、女子、青年部隊旗が、ここに立てられたのであります。四月二十七、八日には、この旗のもとに集まり、登山しようではありませんか。

そして、この旗のもとに、大折伏の行をいたそうではありませんか。

 

昭和27年4月7日

立宗七百年記念本部総会

中央大学講堂

 

 

先師牧口先生をしのぶ

 

 わたくしは、総会のたびに、胸のうちに故初代会長、牧口常三郎先生のことが浮かんできて、思われるのであります。

 ただいまも、名前を呼ばれたとき、泣くまいとして、泣かずにはおられないのであります。思えば、わたくしが二十一歳のときに、五十歳の先生と、師弟の関係が結ばれたのであります。当時、わたくしが理事長をつとめてより、影の形のごとくお供し、牢獄にもお供したのであります。

 

『わたくしは若い、老人の先生を、一日も早くお帰ししたい』と思っていた一月八日に、十一月の先生の死をお聞きしたとき、だれが先生を殺したんだと叫び、ぜったいに折伏して、南無妙法蓮華経のために命を捨てようと、決心したのであります。

 で命を捨てようとしたものに、なんで他の悪口、難が恐ろしいものあろうか。

 

 ここに、みなさまが集まられるようになったのは、牧口先生のおかげであります。ここに、ただひとつぶのお孫さんたる洋子さんが、中学におはいりになったのであります。そのお祝いを申しあげ、八十一歳の奥さんをお慰め申しあげたいと思います。また、小林君は、なき先生の死がいを背負って帰られたかたであり、先生を思うと同じに、小林君を思われるのであります。

 

昭和27年4月7日

立宗七百年記念本部総会

中央大学講堂