〔三座〕

 南無本因妙の教主・一身即三身・三身即一身.三世常恒の御利益・主師親三徳・大慈大悲・宗祖日蓮大聖人・御威光倍増、御利益広大、御報恩謝徳の御為に。

 

 これは、日蓮大聖人にたいして、おほめの言葉を申し上げてお礼を申し上げるのであります。なぜ本因妙の教主と申し上げるかといいますならば、釈尊は本果妙の教主なのであります。末法の仏は本因妙の教主になるのであります。

 

 教主とは、仏という意味であります。本因妙の仏法の中で、もし本因本果を立てれば、日蓮大聖人が本果妙の仏で、日興上人が本因妙の姿となります。

 

 仏法の上で、法身如来の境涯を説いた経文もあります。大日如来などはそうです。それから、報身如来を説かれております。般若経などはそうです。あるいは応身如来を説かれております。阿含経などは、これにはいります。ところが、日蓮大聖人は、法身如来であり、報身如来であり、応身如来でいらせられる。ですから、一身即三身如来であらせられる。

 

 また三身は即一身であらせられる。一身即三身という場合は、三身に主体がありますから、無作三身如来であり、三身即一身という場合は、一身に主体がありますから、自受用身となるのであります。

 

 三世常恒の御利益とは、過去・現在・未来の御利益を持たれていることであります。

 

 主師親とは、親でもあり、主人でもあり、お師匠さまでもいらせられる。一切衆生に対して三徳を持っていられる末法の御本仏日蓮大聖人に対して、お讃めを申し上げてお礼を申し上げるのであります。

 

南無法水瀉瓶・唯我与我・本門弘通の大導師第二祖白蓮阿闍梨・日興上人・御威光倍増、御利益広大、御報恩謝徳の御為に。

 

 これは御開山日興上人に厚く御礼申し上げるのであります。法水瀉瓶というのは、ここに二つの茶碗が、どんな形に変わっても、この中の水を瀉せば水の中は変わりないのであります。ですから、代々の御法主上人は、お人によって、いろいろとお姿は違うのでありますが、日蓮大聖人の法水が、そのまま変わりなく移されているのであります。

 

 唯我与我の御境涯とは、日蓮大聖人と日興上人とは御境涯が同じだというのであります。

 仙台市・仏眼寺の"飛曼茶羅"といいますのは、日蓮大聖人と日興上人との合作の御本尊です。

 

 南無一閻浮提の御座主・第三祖新田卿阿闍梨・日目上人・御威光倍増、御利益広大、御報恩謝徳の御為に。

 

 第三祖日目上人にお礼申し上げるのであります。この方はお偉い方で、非常に邪宗との問答が巧みで、日蓮大聖人から厚く信頼をうけておりました。大聖人の代理をふくめ四十二度の国諌もなされています。

 

 御開山日興上人にもずーっとお仕えしまして、天皇折伏のため七十四歳で京都へ向かわれる途中、垂井まで行かれて、そこで亡くなったのであります。ですから、御開山上人が一閻浮提の御座主、日本中の座主であると、譲り状に申されたのであります。

 

 今、学会では、登山のたびに、みなさまから御供養を願って、お小僧さんのために御供養をさしあげております。なんのためかといいますと、お山でも、一月十五日、これは日目上人の御命日ですが、小僧さん方を法主様が御招待なさるのであります。なぜかといいますと、この中に日目上人が現われるかもしれないという意味で、御招待をするのであります。

 

 それは広宣流布のときには、日目上人が御出現になるという言い伝えがあるのであります。もちろん、広宣流布のときには、お出かけになって下さると思います。もう出てきていらっしゃるかもしれません。

 

 南無日道上人・日行上人等・御本山歴代の御正師・御威光倍増・御報恩謝徳の御為に。

 

 代々の御法主上人にお礼を申し上げるのであります。ここまで仏法をつないで下さって、清く本山をお守りあそばされた代々の御正師さまに、ありがたく思ってお礼を申し上げるのであります。

 

〔四座〕

 奉祈念・天皇陛下護持妙法・爾前迹門の謗法退治・一天四海本因妙広宣流布大願成就・御祈禱の御為に。

 

 四座は広宣流布の御祈念でありますが、主権が天皇陛下にあった時代には、以上のような御観念文でありました。

 

 天皇陛下に御本尊をもたせるために、紫宸殿御本尊を、日蓮大聖人は認められました。その紫宸殿御本尊は、富士大石寺にのみ、厳然として伝えられているのであります。

 しかし、国民の一人一人に主権がある現在では、次のような御観念文になっております。また、日蓮正宗の代々の御法主上人は七百年来、もったいなくも客殿において毎夜丑寅の時刻に、広宣流布祈願の勤行をなされておられるのであります。

 

 祈念し奉る我等弘法の誠意大御本尊に達し一天四海本因妙、広宣流布大願成就御祈禱の御為に。

 

〔五座〕

 当門流信仰の面々、内得信仰の面々、各々先祖代々の諸精霊、追善供養証大菩提の為に。

 某先祖代々の精霊追善供養証大菩提の為に。

 (すぺての回向はここにおいてすること)

 某過去遠々劫現在漫々の謗法罪障消滅現当二世大願成就の為に。

 (すぺての御祈念はここにおいてすること……または四座で)

 

 ここでは、われわれのすべてのお願いを、御本尊に申し上げるのであります。

 

 今から二十五年ほど前に、折伏した婦人の方が、今では非常な金持ちになっておりますが、そのころは長屋のようなきたない所に住んでいたのであります。今は、りっぱな家を建てて、財産は一億とかいっております。女の手一つであります。

 

 この婦人が最初信心したときに、ここの所へくると、リンが一間ほどすっとんだといいます。お願いごとをして、強くリンをたたくとポーンと飛んでしまう。飛ばさなければ功徳がないというわけではありませんが、そのくらいの気持ちで御祈念は申し上げた方がいいでしょう。

 

 一乃至法界平等利益自佗倶安同帰寂光。

 

 最後に、全世界が、全宇宙法界が、平等に御本尊の利益をうけて、早く自他ともに幸福な寂光土が出現するように、お願い申し上げるのであります。