妻の愛人を憎んではならないか

 

【問】私の妻が、ある男と変な関係になりまして、そのときから暗い日々を送っております。そして、その男

を、ほんとうに憎んでいます。最近その相手の男が、日蓮正宗に入信したとのことですが、その男を憎むこと

は謗法になりますか。

 

【答】 牧口先生が、そのような問題を、よくお答えになっていたので聞いていました。ふつうなら、かわいそ

うだと思ってなぐさめるのですが、牧口先生はそのとき「いくじなし、自分の女房を取られるとはだらしがない。

大いに憎め、取り返してこい」といわれました。謗法とはなりません。また憎めないような信心になりなさい。

 

 小説にこういう話があります。ある男女が恋愛をして、男はすぐに外国へ行って、二、三年後に、女は他の男と

結婚し、しあわせな日を送っていた、ところが、ある夜、突然前の男に会う、男は彼女に、急に愛情を感じて彼女

に迫った。彼女は現在の生活に満足しており、拒絶したので、男はその夫君に前のことを話した。夫君がいうの

には「畑にダイコンやニンジンができたといっても、あなたが前に小便をかけたから、それが肥料になってでき

たとはいえない。前はどうあろうとも、いまできているのには変わりがない」と、男はかくあるべきであります。